
野党「祖国革新党」の曺国(チョ・グク)前代表の15日の釈放後の最初の動きに与党圏の関心が集中している。表向きは大法院(最高裁)の有罪確定判決後に議員職を失った第3政党の前代表だが、今回の恩赦・復権により与党の次期大統領候補として急浮上したためだ。早速、党内外では300日を切った来年6月3日の地方選挙に曺氏が出馬すべきだという主張も出ている。「親文」(親文在寅)であり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権と対立してきた曺氏の象徴性を考慮すれば、故郷の釜山(プサン)ではなくソウル市長としての競争力も十分だとみられている。祖国革新党関係者は「今、マラソンのスタートを切った」と述べた。
●祖国革新党「李大統領に感謝」
8月15日の光復節特別恩赦により、曺氏は15日午前0時にソウル南部拘置所での収監生活を終え、自由の身となる。昨年12月16日に収監されてから242日ぶりだ。曺氏は子女の入試不正と柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長に対する監察もみ消しなどの容疑で懲役2年の実刑が確定していた。
祖国革新党は11日、李在明(イ・ジェミョン)大統領の閣議決定により曺氏の恩赦・復権が確定した後、「李大統領の苦心の決定に感謝する」と述べた。金宣旼(キム・ソンミン)党代表権限代行は同日、定例会見を開き、「曺国氏が癒しの空気を吸えるようになったのは国民のおかげだ」とし、「光の革命によって政権交代が実現し、李在明国民主権政府が誕生したから可能になった」と述べた。党指導部は、曺氏が出所するソウル南部拘置所に出迎えに行く計画だ。
曺氏は約8ヵ月間の獄中生活を送ったため、まず短い時間でも回復の時間を持つ計画だという。全国を回り、これまで嘆願書を提出するなど曺氏の恩赦を訴えて来た有力者や支持者に感謝の意を伝える時間も持つとみられる。
来年7月に満了する現指導部の任期に合わせて党代表に自然に復帰するというシナリオが有力視されている。支持者との面会を通じて自然に党代表推戴の雰囲気をつくり、党大会を経て党代表に復帰するということだ。
●来年の地方選挙、地殻変動の見通し
曺氏の被選挙権が回復したことで、来年の6月3日の地方選挙および国会議員再・補欠選挙での地殻変動も予想される。党内では昨年の有罪確定で議員職を失った曺氏が5年後の大統領選出馬のための足場を築くべきだという主張が相次いでいる。曺氏の出馬については、故郷の釜山市長のほかにも、ソウル市長、李大統領の当選と姜勲植(カン・フンシル)大統領秘書室長の任命でそれぞれ空席となった仁川桂陽(インチョン・ケヤン)乙や忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)乙の国会議員補欠選挙への出馬など、さまざまな可能性が取り沙汰されている。
これについて金氏は、「出馬の話は時期尚早だ」とし、「今重要なのは来年の選挙よりも内乱清算と改革課題のためにどのようなことをしていくのか、その中心で党と曺氏がどのような求心点の役割を果たすかが重要だと考えている」と線を引いた。そして「恩赦・復権によって強力な改革の原動力が生まれた」とし、全面的な改革ドライブを予告した。
継続的に提起されている与党「共に民主党」と祖国革新党の合党の可能性についても「あまりにも先走った話」として線を引く雰囲気だ。祖国革新党はまず検察改革をはじめ、最近「共に民主党」の閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員らと共同発議した「検察権乱用に関する真相調査および被害者の被害回復に関する特別法」の推進に力を合わせる計画だ。法案にはすでに確定判決が出た曺氏の事例について再審が可能となる内容などが盛り込まれている。
許桐準 hungry@donga.com






