
「今年は、秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)の連休も長いじゃないですか。休暇を2回取るには経済的に負担になりそうなので、今年の夏休みは南海に泊まって過ごそうと思います」
今月末、夏休みが予定されているという会社員のキムさん(29)は11日、このように話した。キムさんは、「あまりにも有名な観光地は、休暇シーズンになると混雑している上高いので、行って来ても休むというよりも、むしろ疲れそうな気がした」とし、「今回の休暇は、地元住民がよく行く食堂を利用し、市場で買い物をして宿舎で自炊し余裕のある休暇を過ごすつもりだ」と話した。
物価高と長い秋夕連休とが相まって、今年の夏休みは近いところで短く過ごす「ミニ休暇」を好む人が多い。大韓商工会議所が6月に発表した「会社員の夏休み計画および政策課題」の調査結果によると、全国の会社員800人のうち83.5%は韓国内旅行を好むと答えた。日程は2泊3日(38.9%)が最も多く、3泊4日(22.7%)、1泊2日(21.3%)の順だった。
このような現象は、10月初めに7日間の秋夕連休(10月3~9日)と共に物価高が続き、夏休みの費用を減らそうとする「節約志向の休暇」の心理が反映されたものと分析される。ソウル大学消費トレンド分析センターのチョン・ミヨン研究委員は、「今年は例年に比べて休暇が多いため、旅行需要が分散され、近距離旅行への需要がさらに増えたものと見られる」とし、「さらに景気不況まで重なり、韓国内観光を選ぶことが出てくる」と説明した。
休暇先でも、地元市場や大手スーパーで買い物をして宿舎で自炊するなど、コストパフォーマンスの高い休暇を過ごす旅行客が増えている。先日、両親と一緒に江原道束草市(カンウォンド・ソクチョシ)へ旅行した会社員のキム某氏(41)は、「キッチン付きのコンドミニアムを予約し、最終日は伝統市場で地域特産品を購入後、宿舎で夕食を済ませた」とし、「最近、物価が上がり、生活費も高くなっているので、休暇費でも節約しようという気持ちだ」と話した。世宗(セジョン)に住むカンさん(32)も、「最近、物価があまりにも高くて、近くのスーパーで買い物をしてグランピングに行ってくる程度に夏休みを過ごした」とし、「1泊に15万ウォン程度で比較的安くて満足した」と話した。
コストパフォーマンスの高い休暇を好む傾向は、「モールバカンス(ショッピングモールでのバカンス)」の人気からも分かる。新世界(シンセゲ)デパートによると、釜山(プサン)センタムシティ店は、先月の売上げが昨年同期比6%増えた。新世界デパートの関係者は、「センタムシティ内のスパランドやアイスリンクなど、家族連れの旅行客が楽しめる様々な施設の利用客数が増えた」と話した。先月4~5週目基準で、金浦(キムポ)や松島(ソンド)など現代プレミアムアウトレット4カ所の売上も、昨年同期比15.8%増加した。訪問した顧客数の増加推移のみ見ると、18.7%近く伸びている。
ソウル大学心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は、「蒸し暑い天気の影響で、涼しい室内でレジャーを楽しもうとする需要が増え、食事とショッピングなどの楽しみが一ヶ所に備えられたデパートやスーパーにも避暑客が集まっている」と話した。
イ・ソジョン記者 sojee@donga.com






