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日本列島を席巻した「鬼滅の刃」「国宝」、韓国ファンは「映画観光」も

日本列島を席巻した「鬼滅の刃」「国宝」、韓国ファンは「映画観光」も

Posted August. 07, 2025 08:31,   

Updated August. 07, 2025 08:31


先月27日、東京を訪れたイさん(24)は観光が目的ではなかった。先月18日に現地で公開されたアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」を見るためだった。オンライン動画サービス(OTT)を通じて韓国国内でも大きな人気を集めているシリーズ「鬼滅の刃」の熱烈なファンであるイさんは「オンラインコミュニティなどを通じてネタバレされたくなかった」とし、「韓国での公開を待ちきれず飛行機に乗った」と語った。

日本映画は韓国国内で2023年「THE FIRST SLAM DUNK」や「すずめの戸締まり」以降、大きな反響を呼んだ作品は少なかった。しかし下半期に公開を控えた2作品が韓国でも特別な期待を集めている。22日に公開が確定した「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」と在日韓国人3世の李相日(イ・サンイル)監督が演出した「国宝」(下半期公開予定)だ。両作品とも現在日本のボックスオフィスで1位と2位を堅守しており、現地でも反響が大きい。

●「映画観光」までさせる「鬼滅の刃」

「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」は、韓国国内で歴代日本アニメ映画興行5位(観客数約215万人)を記録した2020年「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の次の作品。無限城編も6日基準で事前予約率30.4%を記録し、予約率1位を占めている。

無限城編が特に注目されているのは、19年からテレビシリーズと映画で愛されてきた「鬼滅の刃」の本格的な最終章が始まるためだ。今回の無限城編はシリーズの結末に向かう3部作の第1話で、悪党・血鬼の本拠地である無限城で鬼殺隊と最精鋭の血鬼たちが繰り広げる最終決戦が描かれた。韓国国内のファンの熱い関心が予想され、複数の輸入会社が版権を獲得するために入札競争に乗り出したという。

日本ではすでに新たな興行記録を打ち立てている。公開と同時に日本のボックスオフィス1位を記録した無限城編は、4日には1千万人の観客を突破した。日本映画史上最も早い時点である公開8日目に興行収入100億円(約938億ウォン)を超えた。米国の芸能メディア「デッドライン」は「この作品は単なる映画ではなく、一つの社会現象だ」とし、「日本の劇場はその流れに熱狂している」と驚きを示した。

●「カンヌ招待」在日韓国人監督の「国宝」

映画「国宝」は李氏が演出を手がけた作品であるため、韓国国内の映画ファンも以前から関心を寄せていた。李氏はデビュー作「青〜chong〜」(1999年)などを通じて在日韓国人としてのアイデンティティを描き、「69 sixty nine」(2004年)、「フラガール」(06年)などで注目されてきた。

映画は、ヤクザの世界で生まれ、歌舞伎役者の家で育ち、芸術に人生を捧げた喜久雄(吉沢亮)の人生を描いた。特に、日本の伝統芸能のディテールを描き出したと好評を得ている。日本でも先月6日の公開後、4週連続でボックスオフィス1位を記録し、「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」が公開された後も2位を守っている。李氏は今年5月、カンヌ映画祭「監督週間部門」に招待された際、「伝統文化という素材に娯楽性と作品性を同時に盛り込んだ」と語った。

当初、韓国映画界ではこの作品が日本の伝統文化を深く扱っているため「倭色」が濃く、輸入が難しいのではないかという見方もあった。しかし作品性の高さが評価され、下半期の韓国国内公開が確定した。輸入会社メディアキャッスルのカン・サンウク代表は、「演技と演出、展開など様々な面で印象的な映画」と紹介した。


キム・テオン記者 beborn@donga.com