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ベサント米財務長官「重要なのは貿易協定のタイミングではなく、交渉の質」

ベサント米財務長官「重要なのは貿易協定のタイミングではなく、交渉の質」

Posted July. 23, 2025 09:40,   

Updated July. 23, 2025 09:40


「重要なのは貿易協定のタイミングではなく、交渉の質だ」

トランプ政権で関税政策と貿易交渉を主導するスコット・ベサント財務長官は、21日(現地時間)、経済専門メディアCNBCとのインタビューで「単に合意のためだけに交渉を急ぐつもりはない」と述べた。来月1日の相互関税発動を前に、時間に追われて相手国に「適当な譲歩」はしないことを示唆したものだ。また「私たちは引き続き交渉できる」とし、8月1日の発動日にこだわらないという姿勢も示した。前日、ハワード・ラトニック米商務長官もCBSとのインタビューで、「8月1日から新しい関税率が適用されるが、各国はその後も私たちと交渉できる」と話した。

ベサント長官は、4月から先月まで7回にわたり交渉を行ってきたものの、いまだ合意に至っていない対日貿易交渉について、「日本の政治状況は気にしていない。米国民のための最良の合意を引き出すことだけに集中している」と述べた。これは、日本政府が参議院選挙を控えて農産物の輸入拡大に消極的だったことを指摘したものと解釈される。また、今後も日本が敏感に反応する品目に対する関税適用や市場開放の推進に踏み切る可能性を示唆したものと見られる。

欧州連合(EU)との通商交渉については、「駆け引きこそが交渉の本質だ」とし、「関税率が引き上げられれば、(対米貿易黒字が大きい)EUの方がより大きな影響を受けることになる。彼らの方が(我々より)早く交渉を進めたいと考えるだろう」と述べた。合意が遅れて高関税が課せられれば、EUにとってさらに不利になるということだ。

これまでトランプ政権は、韓国を含む主要国に対し、高い関税率を提示した後、関税猶予期間が終了する前に合意しなければ適用を避けられないとして圧力をかけてきた。しかし、同日、ベサント氏が発した「急がない」というメッセージは、交渉を有利に進めるための戦略と解釈される。一部の国が金融市場の不安定化など米国の焦りを逆手に取り、「持ちこたえ戦略」へと方針を転換する可能性を念頭に置いた発言とみられる。ワシントンの外交筋は「どうせ有利な条件で合意できないのであれば、まずは高関税を課し、時間をかけて最大限の譲歩を引き出す方が得策だと判断した可能性がある」と話した。

ベサント氏が「交渉の質」を強調したのは、自動車・鉄鋼・医薬品などに対する品目別関税の引き下げには応じないという意思を示したものだという解釈も出ている。韓国や日本に対して求めてきた農産物や自動車市場の開放についても、引き続き強調する方針であることを示唆したとの分析もある。

同日、ベサント氏は最近、貿易協定を締結したインドネシアが、米国産農産物とボーイング社製航空機の購入を約束したことを強調した。インドネシアは45億ドル(約6兆2518億ウォン)相当の米国産農産物とボーイング社製航空機50機の購入を米国と約束した。インドネシアとの貿易合意が発表された後、海外の主要メディアは、米国にとってはるかに有利な結果だと評価した。


申晋宇 niceshin@donga.com