
三星(サムスン)グループの経営権継承過程で、不当な系列会社の合併や粉飾会計などの容疑で起訴されていた三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長(写真)に対し、無罪が確定した。検察が主張した19件の疑惑を全て棄却した一審判決と二審判決を最高裁も支持した。2016年の国政介入疑惑を機に三星を標的とした捜査が開始されてから3160日。三星はオーナーを巡る大規模な「司法リスク」からついに解放されることになった。
最高裁判所第3部(主審、呉錫俊最高裁判事)は17日、資本市場法および外部監査法違反、業務上背任などの罪で起訴された本件について、「原審判決に自由心証主義の限界を逸脱したり、資本市場法、外部監査法などの法理を誤って解釈した誤りはない」として、検察の上告を全て棄却した。2024年2月の1審に続き、今年2月にすべての疑惑について無罪判決を言い渡した2審判決を確定したのだ。李氏とともに起訴された三星グループ未来戦略室(未戦室)の崔志成(チェ・ジソン)前室長ら被告人13人にも無罪判決が下された。三星側の弁護団は「最高裁の最終判断を通じて三星物産の合併と三星バイオロジクスの会計処理が合法であったことが明確に確認された」と述べた。
経営権継承過程を巡る疑惑は、2016年の国政不正介入を機に本格的に浮上した。当時、検察が提起した不正請託と賄賂の疑惑は不当合併、粉飾会計の疑惑へと拡大し、2020年に検察はこれらの容疑で李氏らを起訴した。
検察は、第一毛織と三星物産の合併が李氏のグループ支配力を強化する方向で行われるよう、三星が組織的に株価操作(資本市場法違反)と株主への損害(業務上背任)を行ったと主張した。第一毛織の企業価値を水増しするため、三星バイオロジクスの会計帳簿を操作(外部監査法違反)したという疑惑も提起されていた。検察は、「李会長は未戦室からこれら一連の過程について報告を受け、指示した」とし、李氏を不法継承疑惑の中心人物と指摘した。
財界からは歓迎の声が上がっている。大韓商工会議所のカン・ソクグ調査本部長は「企業経営リスクの解消はもちろん、韓国経済全体に肯定的な波及効果が期待される」と話した。法曹界では、捜査中断と不起訴勧告を無視してまで起訴し、一審・二審とも無罪判決が出たにもかかわらず、最高裁まで持ち込んだ検察の責任を問う声が高まっている。
ソン・ヘミ記者 ソン・ユグン記者 1am@donga.com






