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尹錫悦前大統領が124日ぶりに再収監、虚偽と厚顔無恥が招いた自縄自縛

尹錫悦前大統領が124日ぶりに再収監、虚偽と厚顔無恥が招いた自縄自縛

Posted July. 11, 2025 08:39,   

Updated July. 11, 2025 08:39


自身に対する逮捕妨害を指示し、事後に戒厳宣布文を決裁・廃棄した容疑などを受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が10日、再び逮捕され、ソウル拘置所に収監された。3月8日に逮捕取り消しで釈放されてから124日が経った。令状実質審査で尹氏側は防御権行使のための不逮捕を主張したが、裁判所は「証拠隠滅の恐れがある」として逮捕令状を発付した。

尹氏の再逮捕は、彼自身の虚偽と弁明が招いたものだ。捜査過程で尹氏が逮捕令状の執行を妨害し、軍司令官らの「秘話フォン」情報を削除するよう指示したという証言と証拠が出たにもかかわらず、頑なに容疑を否認した。懐柔疑惑まで浮上した。特検は、尹氏が事件関係者を懐柔する恐れがある点も再逮捕の理由に挙げた。実際、一部関係者は尹氏側の弁護人が調査に立ち会った際には尹氏に有利な証言をし、弁護人が退席すると不利な証言に変えるという。

特検の取り調べで尹氏が見せた傲慢な態度も令状発付に影響を与えたとみられる。出頭日時を遅らせ、非公開で出頭させてほしいと無理強いし、取り調べ中に「警察官の尋問は受けられない」として担当者の交代を要求するという呆れたこともあった。以前にも尹氏は検察・警察・高位公職者犯罪捜査処の出頭要請に8回も応じなかった前歴がある。このような被疑者が今後の捜査に誠実に応じると信じる人がどれほどいるだろうか。

実際、尹氏が4ヵ月前に釈放されたこと自体が問題だった。裁判所が逮捕期間を異例の方式で算定して逮捕を取り消し、検察が抗告を放棄したこと自体、尹氏一人のための法執行だという指摘が多かった。部下たちは逮捕状態で裁判を受けているのに、内乱罪の首謀者は釈放されて自由に行動するのをどうして正常といえるだろうか。にもかかわらず、尹氏は無罪判決でも受けたかのように得意満面な様子を見せた。

尹氏の身柄を確保したことで、特検がより迅速に捜査できる環境は整った。戒厳捜査の初期には内乱罪の捜査権と手続きをめぐる混乱で各捜査機関がばらばらに動き、空白が生じたが、特検は捜査権をめぐる論議から自由で、捜査人員と期間も十分だ。尹氏が非常立法機関を設けて国会を無力化しようとし、報道機関への送電・送水停止を指示したという疑惑など、詳細な事案を捜査して戒厳の全貌を解明することが特検の当面の課題だ。尹氏の指示で軍が平壌(ピョンヤン)に無人機を侵入させて「北風」を誘導したという疑惑も全面的な捜査が避けられない。ヴェールに包まれた疑惑は、実体を余すところなく明らかにして審判台に上げなければならない。