
幼い時から家庭内暴力に苦しんでいたキム某さん(18)は、学校を退学後、しばらく付き合っていた20代の男性の子供を産んだ。妊娠のことを知った両親は、キムさんに暴言と暴行を続け、子供の父親とは連絡が途絶えた。
子供を堕胎したくはなかったが、出産記録が残って一人で育てるのも、キムさんには大きな負担だった。幸い妊婦が匿名で診療を受けて出産できる「保護出産制」を知り、最近子供を産んだ。キムさんは、「母親の懐を離れるのは申し訳ないが、子供は私より良い人生を生きてほしい」と話した。
9日、保健福祉部によると、新生児の遺棄や児童ネグレクトを防ぐために昨年7月に施行された「危機妊娠保護出産制」を通じて、この1年間、児童299人が安全に生まれたことが確認された。今年6月までに関連機関で相談を受け、直接子育てを決心した産婦は160人だ。107人は保護出産を、32人は出生届後、養子縁組をした。福祉部の関係者は、「保護出産を望んだ19人は相談を受け、その後気持ちが変わり子供を直接育てることにした」と話した。
保護出産制が、児童遺棄、出生届を出さない「幽霊児童」の発生を防いでいるが、危機妊婦を支援するより根本的な対策が必要だという指摘も出ている。南(ナム)ソウル大学児童福祉学科のト・ミヒャン教授は、「より積極的な相談と支援で、危機妊娠女性が子育てをあきらめないように助けなければならない。保護出産制が子育て放棄の手段として活用されてはならない」と強調した。
朴星民 min@donga.com






