
4日から始まった米テキサス州の豪雨と洪水で、7日基準で少なくとも104人が死亡した中、今回の事態が政権を握っている共和党と野党民主党の政治攻防へと広がっている。民主党は、「トランプ第2次政府が、国立気象庁(NWS)の人員を大規模に縮小し、洪水警報が適時に鳴らず救助のゴールデンタイムも逃した」として真相調査を要求している。共和党とホワイトハウス側は、「国家的悲劇を政争道具として活用するな」と対抗した。
民主党のチャック・シューマー上院院内代表は7日、トランプ政権2期目の国立気象庁関連予算の削減が、今回の洪水被害に及ぼした影響をめぐる調査を要求する書簡を、主務省庁である商務省に伝えた。民主党のクリス・マーフィー上院議員もまた、「正確な天気予報は、災害を避けるのに役立つ」とし、トランプ大統領が気象学者など公共部門の従事者を無分別に縮小し、その見返りを払っていると批判した。
「小さな政府」「減税」を重視するトランプ大統領は、再政権後、気象関連機関の一部を民営化すると公言した。これを受け、国立気象庁の主要事務所の雇用は、それぞれ少なくとも従来比20%から多くは半分に減った。
AP通信によると、洪水被害が集中しているテキサス州カー郡を担当する国立気象庁事務所では、27の職位のうち6つが空席だった。この中には、様々な災害時に警報を発令し、主要公務員らと協力する管理者職も含まれている。
一方、ホワイトハウスのレビット報道官は、気象関連人員の削減と洪水被害との関連性を強く否定した。レビット氏は、「100年に一度の突発的洪水であり、気象庁は自分の仕事をした」とし、「洪水について大統領を非難することは、悪意的な嘘であり国家的哀悼時期に何の役にも立たない」と主張した。テキサス州が地方区の共和党のテッド・クルーズ上院議員もまた、「(民主党が)自然災害の責任を相手に転嫁しようとしている」と同調した。
CNNなどによると、今回の洪水の死者の中には、夏休みを迎え、少女専用のキリスト教サマーキャンプ「ミスティックキャンプ」に参加した女子児童27人が含まれている。テキサス州の石油財閥ウィリアム・ハーバート・ハントの曾孫であるジャニー(9)もこのキャンプに参加して、被害に遭った。このキャンプの設立者であるディック・イストランド(70)も、雨水に流され死亡した。水が引いたミスティックキャンプには、死亡した女子児童のかばんと所持品がいっぱいで、哀悼の意を表している。
行方不明者が多く、死者はさらに増えるものとみられる。ミスティックキャンプだけで生徒10人、引率教師1人の11人が行方不明になり、他の地域でも行方不明の報告が多い状態だ。
アン・ギュヨン記者 kyu0@donga.com






