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北朝鮮の民間人男性1人が越境、韓国軍が身柄を確保

北朝鮮の民間人男性1人が越境、韓国軍が身柄を確保

Posted July. 05, 2025 08:48,   

Updated July. 05, 2025 08:48


北朝鮮の男性1人が3日、中西部前線の非武装地帯(DMZ)内の軍事境界線(MDL)を越えて韓国側に入り、韓国軍が身柄を確保した。これは李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、北朝鮮住民による初のMDL南下事例だ。

4日、韓国軍合同参謀本部によると、3日午前3~4時ごろ、中西部前線のMDL付近の川を越えて来る北朝鮮の男性が、韓国軍の赤外線監視システム(TOD)に捉えられた。この男性は水深1メートルほどの浅い川で体をできる限り低くして、左右を確認しながら南へ移動したという。

合同参謀関係者は「昼間はほとんど動かず、夜になって動いた」とし、「時には藪の中に身を隠し、移動する様子が見えないこともあった」と話した。

韓国軍は当日夜に武装兵力で構成された作戦チームを投入し、誘導作戦を開始した。作戦チームが100メートルの距離まで接近すると、北朝鮮の男性は「誰だ」と言い、作戦チーム長(中士)は「我々は大韓民国国軍だ。安全に案内する」と述べ、男性を連れてDMZから出たという。誘導作戦は3日12時近くになってようやく終了した。最初の発見から身柄確保まで約20時間かかった。この男性は自分が民間人だと話しており、武装はしていなかったという。

MDL付近まで自ら下って、韓国軍の南下案内に素直に従った点から、自発的な脱北者と推定される。韓国軍関係者は「詳細な南下過程や亡命の意思などについては関係機関で調査する予定だ」と述べた。

北朝鮮住民がMDLを越えて陸路で南下したのは昨年8月以来だ。当時、北朝鮮軍兵士1人が東部前線の東海線開拓地に沿ってMDLを越えて亡命した。その時よりも地雷の埋設や防壁の設置など、北朝鮮の対南遮断作業はより進展している。北朝鮮は最近、DMZを管轄する国連軍司令部にDMZ内の対南遮断作業の再開を通知し、最大約1千人の人員を投入して防壁設置、地雷埋設などを行っている。

合同参謀本部は「今回、北朝鮮男性が越えてきた地域にはそうした作業がなかった」とし、「ただし未確認の地雷があり、藪が生い茂っていて移動が容易ではない地域」と述べた。

大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は同日午後の定例会見で、「李在明大統領が魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長と姜勲植(カン・フンシク)秘書室長から(北朝鮮男性の)身柄確保に関する詳細な内容の報告を受けた」と明らかにした。

一方、現在政府は3月と5月に海上で漂流して救助された北朝鮮住民6人の身柄を確保している。彼らは全員北朝鮮への帰還を希望しており、送還を推進したが、北朝鮮から返答がない状況だ。


尹相虎 ysh1005@donga.com