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赤字性債務が6年で倍増、「福祉公約」はペース調整を

赤字性債務が6年で倍増、「福祉公約」はペース調整を

Posted July. 01, 2025 08:42,   

Updated July. 01, 2025 08:42


国民の税金で返済しなければならない「赤字性の国家債務」が900兆ウォンを軽く超えた。政府資産の売却などで返済が可能な「金融性債務」とは異なり、国債の発行などによって発生する赤字性債務は、最終的に国民から徴収した税金で穴埋めしなければならない借金である。国家債務全体に占める赤字性債務の割合は徐々に拡大し、現在では70%台に達するほど国の借金の質も悪化している。低成長で税収基盤が弱体化している中、「悪性債務」に対する管理の必要性が一段と高まっている。

第2次補正予算まで反映した今年の国家債務は1300兆6000億ウォンで、1年で125兆4000億ウォンが増える見込みだ。このうち赤字性債務は71.0%にあたる923兆5000億ウォンに達する。2020年に60%に到達して以降、わずか5年で70%を超えた。赤字性債務が増加すれば、国民の実質的な返済負担が重くなるだけでなく、返済利息も増加し、財政運営の柔軟性が損なわれる。増加のペースがあまりに速すぎれば、対外的な信用低下や国家の格付け引き下げにつながる可能性もある。

問題は、今後も赤字性債務が増える可能性が高いということだ。新政権の大統領選挙公約には、国費の追加投入を伴うものが多かった。代表的な例として、8歳未満の児童に月10万ウォンずつ支給していた児童手当を18歳未満まで拡大するという公約がある。そのほか、療養病院での看護費に対する健康保険の適用、農漁村向けの基本所得導入、基礎年金の夫婦同時受給時の減額縮小なども約束された。これらの大統領選公約をすべて実現するには、今後5年間で210兆ウォンの追加財源が必要だが、財源対策は十分に示されていない。

景気回復を目指す財政支出や、社会・経済的格差を解消するための福祉支出は、国の重要な役割である。ただし、財政状況を顧みずに支出を無制限に拡大するのは問題だ。必要性と実現可能性を精査し、重要度に応じて優先順位をつけてペースを調整すべきだ。「国民との約束」を理由に個別の公約に過度に固執するべきではない。それよりも、今後5年間の国家財政を健全に運営するという、より大きな約束を守ることが先決であろう。