
蓄電池の素材事業をグループの主な新成長エンジンとしているポスコグループが、米現地で蓄電池の主要原料であるリチウムを直接生産するための実証事業に乗り出す。
ポスコホールディングスは30日、オーストラリアの資源開発企業「アンソン・リソーシズ」とリチウムの直接抽出(DLE=Direct Lithium Extraction)の実証のためのデモプラントの構築と運営に関する覚書(MOU)を交わしたと発表した。韓国国内企業としては初めて、北米現地でDLE技術の実証事業に乗り出すことであり、米ユタ州グリーンリバーシティ内のアンソン・リソーシズが保有している塩水リチウム鉱権の敷地にデモプラントを建設する予定だ。
DLE技術は、次世代リチウム抽出工法だ。伝統的な自然蒸発法は、大規模な人工池を作って太陽熱と風で水を蒸発させ、リチウム濃度を高めた後、抽出する。18~24ヶ月の長い時間がかかるうえ、日照量が豊富な地域だけで事業が可能だった。一方、蒸発過程なしに直接塩湖からリチウムを抽出するDLE技術は、低濃度の塩水でも一日二日で経済的にリチウムを抽出することができる。
ポスコホールディングスは、張仁和(チャン・インファ)会長の「ツーコアプラスニューエンジン(2Core+New Engine)」の戦略を中心に、事業ポートフォリオを見直し、蓄電池素材事業、特にリチウム資源のサプライチェーンの拡大に力を入れている。すでにアルゼンチンの塩水リチウム工場(年産2万5000トン)と全羅南道栗村(チョルラナムド・ユルチョン)産業団地の鉱石リチウム工場(年産4万3000トン)を相次いで完成し、電気自動車約160万台の生産に必要な年産6万8000トン規模の水酸化リチウムの生産能力を確保している。
ポスコホールディングスは、DLE技術の商用化を通じて、北米地域の未開発塩湖への投資や事業化に積極的に活用することで、北米リチウムサプライチェーンを構築するという目標だ。
金在亨 monami@donga.com






