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地方自治30年、検証済みの「生活行政」が二極化の解決策

地方自治30年、検証済みの「生活行政」が二極化の解決策

Posted June. 30, 2025 08:27,   

Updated June. 30, 2025 08:27


地方自治体首長の直選制が導入された民選地方自治が、来月1日で30周年を迎える。地方自治はこれまで試行錯誤しながらも、住民生活の質を改善する成果を出してきたが、同時に存立基盤が揺れる危機を迎えている。少子高齢化による人口減少で地方財政が弱まり、公共インフラが悪化した。その結果、青年たちが働き口と公共インフラを探して地元を離れ、首都圏一極体制が深刻化される悪循環が固着した。

韓国は、人口の半分以上が首都圏に集中しており、地域内総生産(GRDP)の割合も首都圏が半分以上を占めている。首都圏の超集中により、全国228の基礎自治体のうち130ヵ所が消滅しそうなリスクにさらされており、釜山(プサン)のような広域市も例外ではない。産業研究院は2000年代以降、国家不平等度の64%が首都圏と非首都圏の格差から始まったと分析するほどだ。地域の二極化が韓、国社会の持続可能性を脅かす「亡国病」の水準になっている。

首都圏と非首都圏との格差は、地域の働き口の不足や教育・医療・交通など公共インフラの崩壊など、複合的な難題を解決できなければますます広がるだろう。しかし、中央政府が地域の実情を一つ一つ把握し、必要な政策を迅速に施行するには限界がある。現場にもっと近い自治政府が作って、すでに成功をおさめた「生活行政」に注目しなければならない理由だ。仁川(インチョン)は、「仁川型出産政策」を推進し、今年第1四半期の出生児数(4216人)が昨年同期より14%増加する反転ドラマを書いた。子供が18歳になるまで、既存の中央政府の出産・子育て支援に2800万ウォンを上乗せして1億ウォン規模のオーダーメード型支援を行う。済州道西帰浦市(チェジュド・ソグィポシ)の公共産後ケアセンター、光州(クァンジュ)の公共深夜児童病院など、全国的に拡散した自治体の少子化政策もある。

慶北(キョンブク)は、営農法人を中心に共同営農をする「株主型二毛作共同営農」のモデルを導入した。村単位規模の経済で所得を2倍増やし、青年農夫の働き口を創り出した。釜山は青年人口流出を防ぐために、文化・医療・スポーツなどの主要生活施設を徒歩や自転車で15分以内で利用できる「15分都市」を作っている。

地域消滅は、韓国社会が青年たちに首都圏の他に多様な選択肢を提供しなかったためにもたらされた。中央政府より地方自治体が、地域の現実についてよく知っている。自治体が解決策を見出してこそ、豊かな代案が生まれる。新政府は、均衡発展と自治分権を公約しただけに、自治体に実質的な自治権限をさらに与える道を模索しなければならない。地域の創意性と自主性は、ここから生まれるだろう。特定自治体で検証済みの政策を積極的に受け入れ、必要なところに拡散させることも必要だ。