

政府がシンクホール事故を予防するために、800億ウォン近くをかけて作った地図資料に、過去のシンクホール履歴などの主な要素が漏れていることが分かった。ソウル市や釜山(プサン)市などが作ったシンクホール地図も、地下水や地下埋設構造物など主要変数が抜けていた。さらに、資料を市民に公開せず、シンクホール予防において事実上無用の長物だという指摘が出ている。
国土交通部(国土部)は、2014年のソウル松坡区(ソンパグ)での大型シンクホール発生を機に、785億ウォンをかけて「地下空間統合地図」を作った。東亜(トンア)日報ヒーローコンテンツチームの取材の結果、今年1月から5月までの同資料の利用件数は計403件で、1日約2件に過ぎなかった。国土部は、地下開発事業者など承認を受けた一部だけに資料を公開し、一般市民には公開していない。
全国で大型シンクホールの密集度が最も高い釜山市も、「地盤沈下リスク地図」を作ったが非公開にしている。2018年から先月まで、全国の大型シンクホール35件のうち7件が釜山で発生した。ソウル市も、「地盤沈下安全地図」を作ったが、非公開方針を守っている。
シンクホール事故が人命被害にまでつながると、国会で関連法案が相次いで発議された。与党「共に民主党」の安泰俊(アン・テジュン)議員は25日、市道知事はシンクホール安全地図を作って公開しなければならないという内容の地下安全管理に関する特別法(地下安全法)の改正案を発議した。同党の尹鍾君(ユン・ジョングン)議員は24日、「シンクホールの懸念があるところは、政府が地方自治体長に措置を取るように命令でき、これを履行しなければ、2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金刑に処することができる地下安全法の改正案を発議した。民主党の黄明善(ファン・ミョンソン)議員は、「自治体首長は、国民の生命や身体、財産保護に必要な空間情報を公開するよう努力しなければならない」という内容の国家空間情報基本法の改正案を発議した。
透明な資料公開の要求も大きくなっている。釜山市民団体健康社会福祉連帯のイ・ソンハン事務局長は、「市民が最も気にしている地下安全地図を精密に作って、きちんと知らせなければならない」と指摘した。進歩党は、ソウル市にシンクホール安全地図の公開を要求した。韓国建設技術研究院のチェ・チャンホ先任研究委員は、「都心を安全地域と危険地域に分けて分析したシンクホール地図を作って配布する必要がある」と指摘した。






