
韓国ガス公社は、放火の前科がある会社の従業員などに液化天然ガス(LNG)貯蔵タンクがある生産基地の常時出入証を発行するなど、施設のセキュリティ管理を粗末にしていたことが明らかになった。また、仁川(インチョン)市と京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)市にあるLNG貯蔵タンクに設置しておいた「泡消火設備」が正常に作動しないことが発覚した。この設備は、火事が起きた時、LNGガス漏れと炎を防ぐ初動鎮火の役割をする。
監査院が12日に公開したガス公社の監査報告書によると、監査院が仁川市と平沢市の生産基地に設置された「消火設備」5個を試験的に作動してみた結果、正常に作動する設備は一つもなかった。この設備に対する毎年の試験点検を定めている内部指針を守らなかったのだ。ガス公社は、2019~2023年の5年間、全体13ヵ所のうち7ヵ所に設置された消火設備に対して一度も点検を行わなかったのだ。
国のセキュリティ施設であるガス公社の本社と生産基地のセキュリティ管理もずさんだった。監査院が、2021年から昨年6月まで本社をはじめとする施設の常時出入証が発行された2593人に対して全数調査した結果、346人(13.3%)が犯罪の前科があることが明らかになった。放火の前科がある人がLNGタンクのある仁川生産基地への常時出入証を発行してもらい随時出入りしていたことも確認された。LNGタンクのある平沢基地本部のタンクローリーの運転手3人は、いずれも飲酒運転で処罰された前歴があった。監査院は、「三陟(サムチョク)基地本部を除くガス公社本社と14施設で、別途の基準なしに担当者自らの判断で常時出入り許可を決めたからだ」と指摘した。
監査院は、ガス公社に対し、消防・セキュリティ関連業務を徹底し、国家セキュリティ施設に対する常時出入り許可に関する基準を用意するよう通知した。
コ・ドイェ記者 yea@donga.com