最大野党「共に民主党」の大統領候補の李在明(イ・ジェミョン)前代表が、先進国の中でも最高水準にある韓国の給与所得税免税者の割合を縮小する方向で税制政策を進めることを決めたという。莫大な予算を必要とする福祉、財政投資公約を考慮し、税収を減少させる可能性が高い所得税制の改編を無理には進めないということだ。
これに対し、同党の政策委員会関係者は、「物価が上がると賃金も上昇し、それに伴い税金を納める労働者の割合が増えることを妨げないということだ」と述べた。所得税の課税基準は2008年以降17年間にわたり大枠が維持されており、賃金の上昇速度よりも所得税の負担が急速に増加した。しかし、課税標準区分を調整して免税者の割合を拡大しないということだ。
同党が最近まで積極的に検討していた課税標準の調整を通じた所得税減税を控えることにしたのは、韓国の免税者の割合がすでに高すぎると判断したためだ。各種所得控除、税額控除の恩恵を受けた結果、最終的に納めた税金が「0ウォン」となる給与所得者のうち、免税者の割合は一昨年33%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最高水準だ。15%程度の日本、オーストラリアなどの先進国に比べて倍以上だ。
多くの先進国は、「すべての国民は少額でも税金を納めなければならない」という国民皆税主義の原則に基づき、低所得労働者にも適正水準の税金を課している。一方、韓国は選挙のたびに政界が低所得層を対象に所得・税額控除の恩恵を先を争って追加するため、免税者の割合が高くなった。一方、高所得層の税負担は増え、昨年の総給与8千万ウォンを超える上位12%の給与所得申告者の場合、稼いだ所得が全体の36%であるのに対し、所得税は76%負担しなければならなかった。
税金を全く納めない人が増えれば、税制の公平性に対する社会的信頼が崩れ、「広い税源、低い税率」という租税の一般原則も損なわれる。昨年、韓国政府は105兆ウォンの財政赤字を出した。国家運営に責任を感じる政党なら、票だけを意識した減税が税収基盤を揺るがすことを心配するのが正常だ。大統領選公約の推進に必要な予算は、人気取りの政策を大胆に放棄し、経済成長によって増える税収を活用するのが理にかなっている。
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