
与党「国民の力」の非常対策委員長に内定した金龍泰(キム・ヨンテ)議員(35)は12日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による12・3非常戒厳に関連し、「国民の力が輩出した大統領の戒厳は誤りだった。そして党としても大統領の誤った行動に対して責任を十分に果たせなかったことを過ちとして認めなければならない」として謝罪した。
金氏は同日、同党の共同選挙対策委員長に任命された。午前、ソウル汝矣島(ヨイド)にある党本部で開かれた中央選挙対策委員会の会議で、「こうした戒厳が起きる前に大統領とともに真の協治の政治を実現できなかったことを過ちとして認めるべきだ」と言い、「若い保守政治家として痛切に反省し、お詫び申し上げる」と頭を下げた。
1990年生まれで、同党の最年少の選挙区当選の国会議員である金氏は、前日に同党の金文洙(キム・ムンス)大統領候補から非常対策委員長への就任を打診され、これを受け入れた。
金龍泰氏は、初の選挙日程として金候補と共に可楽(カラク)市場を訪れた後、記者団に「20日余りの間、国民が体感できるような常識にかなった変化を導きたい」と語った。金候補は金龍泰氏について、「若手の金龍泰氏が必ずや大韓民国を希望と夢が実現する国にし、国民の力を改革して古い慣習を一掃してくれるものと信じている」と述べた。
金龍泰氏は同日午後、金候補と共に国立大田顕忠院(テジョンヒョンチュンウォン)を訪れ、2023年7月に慶尚北道醴泉郡(キョンサンブクト・ヨチョングン)で集中豪雨の中で行方不明者を捜索中に急流に流されて殉職した海兵隊員チェ氏の墓所を参拝した。金候補は「法治は公正でなければならない。捜査に聖域があってはならない」と述べ、「尹錫悦政権下での出来事について謝罪申し上げ、国民の力がこの捜査への圧力を解明できるよう努力する。申し訳ない」と謝罪した。
海兵隊員の殉職事件に関する圧力疑惑をめぐっては、特別検察法が3度国会本会議を通過したものの、尹前大統領の再議要求権(拒否権)行使で国会に差し戻された後、再投票で与党議員が全員反対して否決された経緯がある。これについての謝罪とみられる。
金候補は同日、「統合」についても強調した。金候補は、「国民の力にとって重要なのは、コミュニケーションと改革、そして統合だ」とし、「我々がなすべきコミュニケーションの核心は、功は功として、過ちは過ちとして認める勇気、そして異なる考えを攻撃するのではなく理解し、対立の壁を越える寛容だ」と述べた。選挙勝利のためには、党内の「弾劾賛成派」と「弾劾反対派」の対立を包容する必要があるという趣旨だ。