
7日(現地時間)、バチカンのシスティーナ礼拝堂の煙突から黒い煙が立ち上った。カトリック枢機卿団の秘密会議「コンクラーベ」の最初の投票で新教皇が選出されなかったことを意味する。コンクラーベ2日目の8日からは、1日4回の投票が行われる予定であり、早ければ同日、新教皇が誕生する可能性があるとみられている。コンクラーベが進むにつれて、バチカン内外では新教皇が、フランシスコ教皇のように明確な改革ドライブを続けていくかどうかに関心が高まっている。
●早ければ8日「白い煙」の可能性も
同日午後9時頃、システィーナ大聖堂の煙突から黒い煙が立ち上ると、サンピエトロ広場に集まっていた約4万5千人の群衆の間からため息が漏れた。ロイター通信などによると、コンクラーベが始まってから煙が立ち上るまで3時間以上かかったという。2013年にフランシスコ教皇が選出されたコンクラーベの最初の投票の時より約1時間長くかかった。
最初の投票後、枢機卿団はバチカン内にある聖職者の宿泊施設であるサンタ・マルタ館に戻り、一日を終えた。コンクラーベ初日には投票は1回だけ行われる。最初の投票は、選挙人団が候補群を推し量る探索戦の性格であり、教皇が選出される可能性は低い。
通常、新教皇候補群は2日目から輪郭が現れる。8日からは投票が1日に計4回行われる予定だ。枢機卿団は同日午前10時30分頃、最初の投票を行う。選挙人団の3分の2である89票以上を得た候補がいなければ、午後12時に2回目の投票を行い、昼食をとる。その後、午後5時30分、午後7時頃に投票を続ける。2日目にも教皇を選出できなければ、2回目、4回目の投票後、黒い煙を上げる。教皇が選出されるとすぐに白い煙を上げる。
カトリック教会では、最近行われたコンクラーベを考慮すると、早ければ8日、遅くとも10日前には新しい教皇が選出されると見ている。以前の2回のコンクラーベはいずれも2日目に決着した。2013年のフランシスコ教皇は5回の投票の末に、05年のベネディクト16世教皇は4回の投票の末に選出された。米NBCニュースによると、1900年以降、コンクラーベは平均3日間行われている。したがって、今回も枢機卿団の間に大きな意見の相違がなければ、2、3日目に新教皇が選出される可能性が高い。
ただし、今回のコンクラーベに参加する選挙人団が過去最大規模で、国籍も多様なため、時間がかかる可能性もあるという観測も流れている。ティモシー・ドラン枢機卿は同紙に、「前回よりも長引くだろう」と話した。
●新教皇、カトリック改革を引き継ぐか
バチカン内外では、次期教皇がフランシスコ教皇が始めたカトリック教会の変革を継続できるかどうかに注目が集まっている。フランシスコ教皇は、バチカン市国行政庁長官にフランシスコ修道女会所属のラファエラ・ペトリーニ修道女を任命するなど、型破りな行動を見せた。カトリック教会の歴史上、女性がバチカン市国行政庁のトップに就いたのは初めてだった。
しかし、女性司祭の任命は依然として未完の課題として残っている。カトリック界で喫緊の改革課題として挙げられてきたが、反対も根強いからだ。ただし、フランシスコ教皇の女性高位職拡大の努力により、過去よりも「女性司祭」の必要性を認める雰囲気は広がっている。そのため、次期教皇の動向にも関心が集まる可能性が高い。
同性愛や人工妊娠中絶、性的マイノリティなどに新教皇がどのような立場を取るのかもバチカンの重要な課題となっている。フランシスコ教皇は同性愛や人工妊娠中絶、離婚、再婚などに関して寛容な立場だったが、同性婚と人工妊娠中絶を正式に許可することはなかった。
中国との国交樹立も次期教皇が取り組む重要な業務として挙げられる。バチカンは現在まで中国と国交を結んでおらず、台湾と国交を結んでいる。バチカンにとって、中国が最後に残された超大型宣教地といえる。そのため、フランシスコ教皇は内部の強い反対にもかかわらず、関係改善のために中国政府の司教任命権を認めることもあった。フランシスコ教皇の葬儀ミサで信者が中国語で祈りを捧げる場面があったのも、このような脈絡によるとみられる。
崔智善 aurinko@donga.com






