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「共に民主党」の大統領候補に李在明氏、「2位なき1位」が越えなければならない山

「共に民主党」の大統領候補に李在明氏、「2位なき1位」が越えなければならない山

Posted April. 28, 2025 08:43,   

Updated April. 28, 2025 08:43


最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表が27日、89.77%の得票率で同党の第21代大統領選候補に確定した。4回にわたる圏域別権利党員および代議員投票と、同党支持層と中道層のみを対象とした一般世論調査を50対50で反映した結果だ。2022年に続き2度目の大統領選挑戦の切符を手にした李氏は、候補受諾演説で、「私を選出したのは民主主義と人権、平和と安全、回復と成長、統合と幸福を実現してほしいという願い」とし、「不平等と絶望、葛藤と対立に染まった旧時代の扉を閉じ、国民大統合で希望と愛があふれる国民幸福時代を開く」と述べた。

李氏の前例のない勝利は、2位なき1位と言える。大統領選支持率で先行しているうえ、党代表を務めたことで、より強固になった党掌握力が作用したのだろう。このように勢いに乗っているように見える李氏にも、越えるべき山が横たわっている。「信頼リスク」が代表的だ。進歩政治を行ってきた李氏は、年初から「右」旋回を試みている。「民主党は中道保守」と成長を強調しているが、その約束が守られるかどうか確信できない有権者が少なくない。李氏は企業中心の成長を強調するとともに、企業経営を制限する商法改正を推進している。また、現金福祉である基本所得をめぐり「諦めたわけではない」と述べている。このような相反するメッセージに有権者は混乱している。にもかかわらず李氏は、「政治報復はしないと約束しても信じてもらえない」と不満を訴える。

もう一つの山は、独走の懸念だ。同党は野党時代、立法独走に出た。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の野党無視も問題だったが、同党が政治的反対者と妥協する意思があるのかも疑念を抱かせた。李氏の大統領選勝利は、同党が望めば何でも法律にして施行できることを意味する。国会先進化法による熟慮過程も、大統領の拒否権のようなブレーキもなくなる。もしかすると実質的な牽制手段は同党内の少数派の反対程度だが、「党心90%」という予備選の結果が示すように、党内の反対派は存在感が微々たるものだ。

このような懸念は、同党の予備選で検証されるべきだった。ライバル候補の質問で問題意識が鮮明に浮かび上がり、李氏の答弁を通じて政権獲得時の政策と推進方式を吟味するのが通例だ。しかし、一方的なムードの中で予備選は静かに終わった。与党「国民の力」は泥仕合の予備選に気を取られ、問題提起もできずにいる。

憲法裁判所は尹氏の罷免決定文で「共に民主党」に対し、寛容と自制、対話と妥協を注文した。李氏が大統領になれば、このような要求はより切実になるだろう。李氏も受諾演説で、「大統領の第1課題である国民統合の責任を果たす」と述べた。誓った国民統合に向けて、李氏が信頼でき、節度を持った政治家であることを示さなければならない。大統領選まで37日間、李氏はこの試験を通過してこそ、国政の機会が与えられるだろう。