
テロと不法移民から米国を安全に守ることが主な任務である米国土安全保障省のトップが、夕食中にバッグを盗まれた。
米CNNなどによると、ノーム米国土安全保障長官は20日午後8時頃(現地時間)、復活祭を迎えてワシントンのハンバーガーレストランで子どもや孫など家族と夕食をとっていたところ、バッグを盗まれた。バッグには、現金約3千ドル(約426万ウォン)と運転免許証、薬、アパートの鍵、パスポート、国土安全保障省の入館証、化粧品ポーチ、白紙小切手などが入っていた。国土安全保障省報道官は、ノーム氏が多額の現金を持っていた理由について、「家族と食事し、復活祭のプレゼントを買うためだった」と説明した。
ノーム氏のテーブルとレストランの入り口の間には、ノーム氏を24時間警護するシークレットサービスの要員が2人以上いたとされる。ノーム氏は座席の下にバッグを置いて食事をしていたという。レストラン内の防犯カメラの映像で、医療用マスクを着用してレストランに入ってきた白人男性がノーム氏の近くに座り、足でバッグを引き寄せた後、ジャケットの中に隠して立ち去る場面が確認されたと、米NBCが伝えた。
当時、ノーム氏は自分の足に何かが触れるのを感じたが、孫と接触したと思った。ノーム氏は21日、ホワイトハウスで開催された復活祭のイベントで、「まだ(盗難事件は)解決していない」と話した。米紙ワシントン・ポストは、犯人がノーム氏を標的にしたのかなどに焦点を当てて捜査が進められると伝えた。
米サウスダコタ州知事を務めたノーム氏は、長官就任後、数々の論議を起こした。ノーム氏は先月、国土安全保障省が追放した不法移民を収容しているエルサルバドルの刑務所で広報動画を撮影する際、6万ドル(約850万円)相当のロレックスの時計を腕につけ、物議を醸した。8日には、不法移民の逮捕作戦を広報する動画で銃を持って登場した。この動画で、ノーム氏は銃口を隣に立っていた米移民税関捜査局(ICE)の職員の方に向け、「銃使用の未熟さを露呈した」という指摘を受けた。
(11)[社説]
洪禎秀 hong@donga.com