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「トランプ関税」の流れ弾を受けたペプシ、苦しい「コーラ戦争」

「トランプ関税」の流れ弾を受けたペプシ、苦しい「コーラ戦争」

Posted April. 22, 2025 08:29,   

Updated April. 22, 2025 08:29


トランプ米政権の高率関税政策が、米国のコーラ市場の勢力図まで揺るがしている。ペプシコーラの濃縮液が10%の相互関税を課されるアイルランドで生産されているため、コカ・コーラに比べて米国国内での価格競争力が低下することになったのだ。米国の炭酸飲料市場のシェアでドクター・ペッパーに次いで3位と後れを取っているペプシコーラの地位が、さらに危うくなったという分析が出ている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは20日(現地時間)、米国のペプシコーラが、「トランプ発の関税戦争」で危機を迎えていると報じた。ペプシコーラを製造・販売するペプシコは、低い法人税率の恩恵を受けるため、1974年にアイルランドにコーラ濃縮液工場を建設した。アイルランドで濃縮液を生産した後、米国国内の工場で水、炭酸、甘味料などと混合して完成品を作る製造方式を続けてきた。

ところが、このような工程がトランプ政権の高関税によって、かえって災いとなった。米国で販売されるペプシコーラの濃縮液のほとんどがアイルランドで生産されているため、10%の相互関税が課されるためだ。一方、ライバルのコカ・コーラはアイルランドにも一部濃縮液工場を置いているが、米国国内向けの濃縮液はジョージア州アトランタと米国領プエルトリコで生産しているため、関税はかからない。ペプシコに比べて、関税による打撃がはるかに小さいわけだ。

過去30年間、米国の炭酸飲料市場の1位はコカ・コーラが占めてきた。1995年以降、17~20%台の市場シェアを維持している。ペプシのシェアは下落傾向で、95年の15%から2023年には8.31%に低下し、米国のキューリグ・ドクター・ペッパー社の「ドクター・ペッパー」(8.34%)に2位の座まで奪われた。ドクター・ペッパーは、コカ・コーラのように濃縮液工場を米国など北米に置いているため、相互関税の影響をほとんど受けないとみられる。HSBCのアナリスト、カルロス・ラボイ氏は同紙に、「関税がいつまで続くかは不確実だが、ペプシは現在、明らかに不利な立場にある」と分析した。

トランプ政権がアルミニウム輸入品に25%の関税を課す決定をしたことも、コカ・コーラ製造企業に影響を与える可能性がある。CNNなどによると、コカ・コーラのCEO、ジェームズ・クインシー氏は、カナダから炭酸飲料缶に使用されるアルミニウムの一部を輸入しており、コーラの価格が上がる可能性があると話した。クインシー氏は、プラスチック包装材を使用したり、米国製アルミニウムを調達したりするなど代替案を模索していると伝えた。

米国での売上高の割合が高く、生産拠点を海外に置く韓国のアパレルOEM(他社ブランドの製品を生産すること)企業も、生産拠点をどこに置いているかによって、今年の業績が明暗を分けるとの見通しも出ている。

代表的な韓国のOEM企業であるハンセ実業、ヨンウォン貿易、セア商易などは、全体の売上高で米国が占める割合が35〜90%に達し、中国での生産量は少ない方だ。ハンセ実業は、ベトナムとグアテマラを主要な生産拠点として運営しており、ヨンウォン貿易はバングラデシュ、ベトナム、エルサルバドルに工場がある。セア商易はインドネシア、ベトナム、コスタリカなどに生産拠点を運営している。しかし、これらの企業も完全に安心できるわけではない。これらの企業が主要な生産拠点を置くベトナム、バングラデシュ、インドネシアなども高い関税が課されるところだったが、90日間猶予されている状態だからだ。

ある衣料品メーカー関係者は、「最近、海外のバイヤーが中国に生産拠点を置く一部のOEM企業との契約を解除する動きを見せている」とし「彼らは比較的低い関税が予想される中南米に生産拠点を置く企業と接触している」と話した。

生産拠点を韓国に置くビューティー企業も、関税賦課の状況を注視している。韓国コルマー、コスマックスなどの製造者開発生産(ODM)企業は米国現地に生産工場を置いているが、LG生活健康、アモーレパシフィックなどは国内に生産拠点を置き、米国向けの輸出品を製造している。


崔智善 aurinko@donga.com