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「平和的な戒厳」「塀を乗り越えたのはショー」、初公判から強弁で一貫した尹前大統領

「平和的な戒厳」「塀を乗り越えたのはショー」、初公判から強弁で一貫した尹前大統領

Posted April. 15, 2025 09:24,   

Updated April. 15, 2025 09:24

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内乱首謀の疑いで起訴された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が初公判で、「平和的な対国民メッセージの戒厳だった」とし、容疑を全面的に否認した。憲法裁判所が弾劾裁判決定文で、「『警告性戒厳』または『訴え型戒厳』というものは存在しえない」と釘を刺したにもかかわらず、同じ弁明を刑事裁判で繰り返したのだ。尹氏は、「数時間で、非暴力的に国会の要求を即座に受け入れて解除した事件」であり、「内乱で構成したこと自体が法理に合わない」とも主張した。

尹氏は、昨年3月頃から戒厳を謀議したという起訴内容については、「コメディのような話」だと反論した。国会に兵力を投入したのは「秩序維持」のためであり、中央選挙管理委員会に軍を送ったのは、システムを「スクリーニング」するためだったと述べた。これも、尹氏が国会に出動した軍に「議員を引きずり出せ」と指示し、警察を動員して国会を封鎖することで国会の権限行使を妨げ、選管委の機能に脅威を与えたという憲法裁の判断とは相反する。

また、国会議長らが塀を乗り越えて国会に入ったことを尹氏は「ショー」と表現し、「数時間程度の内乱が人類史上存在するのか問いたい」とも述べた。国会や選管委など憲法機関の機能が麻痺しておらず、国会の要求で解除されたのだから内乱罪に該当しないという趣旨だ。しかし、暴動行為があったなら内乱罪の成立は「目的の達成の有無とは無関係」というのが、大法院(最高裁判所)の判例だ。

弾劾裁判で内乱罪自体を扱ったわけではないが、戒厳宣布と実行過程で起こった行為について司法的判断を下したものなので、刑事裁判の内容と重複する部分が少なくない。大法院とともに最高司法機関である憲法裁の判断は当然尊重されなければならない。にもかかわらず、尹氏が弾劾弁論で述べた弁明を刑事法廷で繰り返したのは、憲法裁の決定を無視したものであり、司法システムを否定したも同然だ。

尹氏は検察の公訴状に対し、「捜査初期に怯えた人々が捜査機関の誘導によって供述した部分が検証なく反映された」と主張した。しかし、郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官のほかにも、首都防衛司令部のチョ・ソンヒョン第1警備団長をはじめ、「議員を引きずり出せ」「国会を封鎖しろ」という指示を受けたと証言する現場の軍警幹部が相次いでいる。尹氏がいつまで手のひらで空を隠そうとするのか、もどかしい限りだ。