憲法裁裁判官に尹氏側近を指名、韓代行の矛盾した権限行使
Posted April. 09, 2025 08:35,
Updated April. 09, 2025 08:35
憲法裁裁判官に尹氏側近を指名、韓代行の矛盾した権限行使.
April. 09, 2025 08:35.
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韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行は8日、任期満了を10日後に控えた文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長職務代行と李美善(イ・ミソン)憲法裁判官の後任に李完揆(イ・ワンギュ)法制処長と咸尚勳(ハム・サンフン)ソウル高裁部長判事を指名した。これまで先送りしてきた馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官と馬鏞周(マ・ヨンジュ)最高裁判事の任命と共にだった。韓氏は、「憲法裁の欠員事態で決定が遅れれば、大統領選挙管理と補正予算の準備などに甚大な支障は避けられず、国論の分裂も再び激化する恐れが大きい」とその理由を明らかにした。だが、最大野党「共に民主党」は、「違憲的権限行使」として権限争議審判と仮処分申請など強力対応を予告した。韓氏の電撃的な憲法裁裁判官候補2人の指名は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の罷免後、大統領選に転換する政局に少なからぬ政治的波紋を呼んでいる。韓氏は今回、与党「国民の力」と民主党がそれぞれ反発する馬裁判官と新裁判官2人に対する人事権を同時に行使することで、政治的均衡の形はもとより、憲法裁の9人体制の完成という名分まで得ることができると判断したものと見られる。しかし、大統領権限代行が大統領分の憲法裁判官を指名したことは前例がないうえ、これまで韓氏の態度とも大きく変わっているため、議論は避けられない。韓氏は昨年末、国会が選出した憲法裁裁判官候補3人に対して、「与野党が合意するまで任命を見合わせる」として、国会から弾劾訴追された。国会分の裁判官に対する形式的任命手続きだったにもかかわらず拒否したが、今回は大統領分の裁判官2人を指名し、積極的な権限行使に乗り出したのだ。さらに、韓氏が指名した李法制処長は、尹氏のソウル大学法学部と研修院の同期、検事の同僚として尹氏の法律代理人の役割をした最側近だ。12・3非常戒厳の翌日にはいわゆる「安家会合」に参加し、民主党から「内乱共犯」と名指しされもした。このように議論の多い人物を指名した韓氏の権限行使をめぐり、一部から今後の自分の行動など政治的狙いがあるのではないかという疑問が提起されるのも無理ではないだろう。韓氏側は、「大統領の職務停止の際は、国政の現状維持のための最小限の権限行使に止まるべきだが、大統領が罷免された状況では、その範囲を拡大して実質的な大統領権限行使が可だと判断した」という。しかし、韓氏が行使できる権限が、大統領の職務停止と罷免との間で大きく変わることはない。韓氏の裁判官指名に対し、「職務範囲を越えた違憲」というのが法曹界の多数の意見でもある。韓氏の人事権が貫徹されれば、進歩4人、中道3人、保守2人の憲法裁が保守4人、中道3人、進歩2人に変わることになる。憲法裁の保革構成を変える重大な決定を、選出されていない権限代行が下すことは、議論を呼ぶしかない。韓氏は、尹錫悦政府の延長線ではなく、2ヵ月間の政府交代期の管理者だ。政派や理念から離れ、公正かつ中立的な選挙管理に邁進しなければならない。いかなる政治的議論にも距離を置かなければならない立場で、その当事者になってはならない。
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韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行は8日、任期満了を10日後に控えた文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長職務代行と李美善(イ・ミソン)憲法裁判官の後任に李完揆(イ・ワンギュ)法制処長と咸尚勳(ハム・サンフン)ソウル高裁部長判事を指名した。これまで先送りしてきた馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官と馬鏞周(マ・ヨンジュ)最高裁判事の任命と共にだった。韓氏は、「憲法裁の欠員事態で決定が遅れれば、大統領選挙管理と補正予算の準備などに甚大な支障は避けられず、国論の分裂も再び激化する恐れが大きい」とその理由を明らかにした。だが、最大野党「共に民主党」は、「違憲的権限行使」として権限争議審判と仮処分申請など強力対応を予告した。
韓氏の電撃的な憲法裁裁判官候補2人の指名は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の罷免後、大統領選に転換する政局に少なからぬ政治的波紋を呼んでいる。韓氏は今回、与党「国民の力」と民主党がそれぞれ反発する馬裁判官と新裁判官2人に対する人事権を同時に行使することで、政治的均衡の形はもとより、憲法裁の9人体制の完成という名分まで得ることができると判断したものと見られる。
しかし、大統領権限代行が大統領分の憲法裁判官を指名したことは前例がないうえ、これまで韓氏の態度とも大きく変わっているため、議論は避けられない。韓氏は昨年末、国会が選出した憲法裁裁判官候補3人に対して、「与野党が合意するまで任命を見合わせる」として、国会から弾劾訴追された。国会分の裁判官に対する形式的任命手続きだったにもかかわらず拒否したが、今回は大統領分の裁判官2人を指名し、積極的な権限行使に乗り出したのだ。
さらに、韓氏が指名した李法制処長は、尹氏のソウル大学法学部と研修院の同期、検事の同僚として尹氏の法律代理人の役割をした最側近だ。12・3非常戒厳の翌日にはいわゆる「安家会合」に参加し、民主党から「内乱共犯」と名指しされもした。このように議論の多い人物を指名した韓氏の権限行使をめぐり、一部から今後の自分の行動など政治的狙いがあるのではないかという疑問が提起されるのも無理ではないだろう。
韓氏側は、「大統領の職務停止の際は、国政の現状維持のための最小限の権限行使に止まるべきだが、大統領が罷免された状況では、その範囲を拡大して実質的な大統領権限行使が可だと判断した」という。しかし、韓氏が行使できる権限が、大統領の職務停止と罷免との間で大きく変わることはない。韓氏の裁判官指名に対し、「職務範囲を越えた違憲」というのが法曹界の多数の意見でもある。
韓氏の人事権が貫徹されれば、進歩4人、中道3人、保守2人の憲法裁が保守4人、中道3人、進歩2人に変わることになる。憲法裁の保革構成を変える重大な決定を、選出されていない権限代行が下すことは、議論を呼ぶしかない。韓氏は、尹錫悦政府の延長線ではなく、2ヵ月間の政府交代期の管理者だ。政派や理念から離れ、公正かつ中立的な選挙管理に邁進しなければならない。いかなる政治的議論にも距離を置かなければならない立場で、その当事者になってはならない。
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