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オープンチャットルームで軍人らに「金品提供」と懐柔、機密収集した中国人を逮捕

オープンチャットルームで軍人らに「金品提供」と懐柔、機密収集した中国人を逮捕

Posted April. 03, 2025 08:38,   

Updated April. 03, 2025 08:38


現役の軍人を懐柔して軍事機密や非公開資料を収集していた中国人が先月末に逮捕されたことが確認された。この中国人は、現役将兵らが参加したオープンチャットルームに潜入し、現金などの対価を提示して軍事機密や非公開資料を要求した疑いを受けている。懐柔されて軍のイントラネットから韓米合同軍事演習の関連情報などの非公開資料を提供した前方部隊のある陸軍兵士も逮捕され、捜査を受けているという。

●韓国軍将兵のふりをして接近、「機密を渡せば金をやる」

2日、複数の政府筋によると、国軍防諜司令部は先月29日、済州(チェジュ)で韓国軍機密探知・収集組織の一員として活動していた中国人A氏を逮捕し、現在、軍事機密保護法違反の容疑で捜査を進めている。A氏は、組織の総責任者の指示を受け、機密を提供した韓国軍将兵に対価を渡すため済州にやってきたところを逮捕されたという。A氏が会おうとした韓国軍将兵は、実は情報当局関係者で、懐柔されたふりをして「偽の機密」を渡し、信頼を得ていたという。

現在、A氏は首都圏の警察署の留置場に拘留されており、防諜司令部に行き来して捜査を受けている。防諜司令部はA氏のノートパソコンや携帯電話などを押収し、機密や非公開資料を渡した現役将兵がどれだけいるのか、中国にいる組織の実態、韓国国内にいる協力者などを明らかにするため捜査に力を入れている。

A氏を含む中国人組織は、昨年初めから現役将兵や将校志願者らが主なメンバーとなっている、軍生活などに関する情報をやり取りするオープンチャットルームに、現役将兵を装って潜入した。その後、オープンチャットルームのメンバーのプロフィールを見た後、ダイレクトメールでささいな会話で警戒心を解き、軍事機密を渡せば金銭などの対価を提供すると言って懐柔を図ったという。

江原道楊口郡(カンウォンド・ヤンググン)にある部隊で服務中の兵士も、スパイカメラなどを部隊に持ち込み、国防網(イントラネット)に掲載された韓米合同軍事演習の進行計画など内部資料を撮影して数回にわたって渡していたことが判明した。防諜司令部は、この兵士が金銭的な対価を受け取った可能性が高いと見て捜査を進めている。この兵士は、未許可の携帯電話を部隊内に密かに持ち込み、内部資料を撮影したという。ただし、この兵士が提供した非公開情報の中に、機密に分類される情報は今のところないという。防諜司令部は、この兵士の他にも機密などを提供した兵士がさらにいる可能性もあると見て捜査している。

●中国政府関与の可能性も、「スパイ罪の適用対象拡大が急務」

捜査当局は、中国にいる総責任者が韓国軍将兵を懐柔する過程で、自身が中国軍に所属していると話したことなどを根拠に、当該組織と中国政府が関係している可能性も排除していない。中国に軍事機密奪取を設計および総括する組織があると思われ、総責任者も中国にいると推定される。

ただし、国家情報院や防諜司令部など捜査当局は、今回の偽装捜査の過程で、中国人組織が機密や軍事上の非公開資料を受け取った後、その対価として金銭を渡すために韓国国内にいる中国人同胞などを動員した証拠を確保し、彼らに対する捜査もまもなく本格化するとみられる。

一部からは、今回の事件のほか、昨年11月に中国人が国家情報院の建物を撮影して逮捕された事件など、中国人が安全保障を脅かす事件が増えていることから、彼らをより厳しく捜査して処罰できるよう、スパイ罪の適用対象を敵国(北朝鮮)を超え、中国など第3国まで拡大することが急務だと指摘されている。


孫孝珠 hjson@donga.com