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崩壊前に橋を飛び越えたタイの韓国人「家族のことだけを考えた」

崩壊前に橋を飛び越えたタイの韓国人「家族のことだけを考えた」

Posted April. 02, 2025 08:38,   

Updated April. 02, 2025 08:38


「後ろからコンクリートが崩れる音が聞こえましたが、振り向かずにとにかく走りました」

先月30日(現地時間)、タイのテレビ局「Thairath(タイラット)TV」とのインタビューで、韓国人のクォン・ヨンジュンさん(38)は、「妻と子供をケアしなければならないという考えだけだった」とし、2日前の地震で、自分が住んでいたバンコク市内の高層ビルが揺れた当時を振り返った。クォンさんは「後ろで誰かが私を押している感じだった」と話した。

クォンさんは、50階以上のバンコク市内の高層マンション2棟をつなぐ歩道橋が先月28日、ミャンマーの第2都市マンダレーで発生したマグニチュード7.7の強震の影響で崩壊する直前に飛び越える場面で、地元で有名人になった。

タイで実業をしながら、タイ人の妻と1歳を過ぎたばかりの娘と一緒にバンコクに住んでいるクォンさんの映像は、ソーシャルメディア(SNS)を通じて広がった。また、この映像が話題を集めると、インフルエンサーの妻のボウ・ユリさんが本人のSNSで映像の中の男が自分の夫であることを明らかにした。

シンガポール紙「ストレーツ・タイムズ」によると、地震発生当時、クォンさんは52階にある団地内のフィットネスセンターで運動をしていた。向かい合っているビルの30階にある自宅で自分を待つ家族のところに行くために、命をかけて雲の中にかかっている橋を渡った。自宅に到着して妻と娘がすでに避難していることを確認したクォンさんは、階段で1階まで歩いて降りて家族と再会することができた。クォンさんは大きな負傷もなく、軽い擦り傷だけを負ったという。

映像がSNSを通じて広がり、一夜にして有名人になったクォンさんは、複数のタイや海外メディアのからインタビュー要請を受けている。オンラインではクォンさんの勇気ある行動について「人間は驚くべきだ。いくら怖くても愛する人を守るためなら何でもできる」という反応が出ている。また、「『国民的な夫』の模範だ。こんな夫を持つ妻は本当にラッキーだ」、「誰が韓国の男性がドラマの中にだけ存在すると言ったのか。実際にいる」などのコメントが相次いでいる。


キム・ユンジン記者 kyj@donga.com