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「本当に指示したことはなかったのですか」

「本当に指示したことはなかったのですか」

Posted March. 29, 2025 07:11,   

Updated March. 29, 2025 07:11


「12・3非常戒厳」に関与したとして裁判を受けている郭種根(クァク・ジョングン)前陸軍特殊戦司令官が最近、裁判所に提出した意見書で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対し「あの夜、本当に私に国会議事堂の議員たちを引きずり出せと指示したことはなかったのですか」と問いかけた。郭氏は、「いかなる法的責任も甘んじて受ける」と述べ、「大統領があの日の真実を隠し、私と部下たちを嘘つきにするなら、大統領の指示に従った兵士たちを二度殺すことになる」と述べた。郭氏は、メディアに公開された獄中自筆メモでも、「我が軍は義理を求めるのか、正直さを求めるのか」と問いかけ、「正直に最善を尽くして努力する人々が尊敬されず、利用され、馬鹿を見る世の中をどう理解すればいいのか」と綴った。

郭氏は戒厳当時、尹大統領と金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の指示に従い、部隊員を国会に出動させ、議事堂への進入と国会への電力供給停止などを指示した人物だ。それに対し、尹大統領側は「議員ではなく、要員を引きずり出せと言った」と主張し、郭氏が最初は「人員」と言っていたのが、野党の懐柔で言葉を変えたと主張した。郭氏の獄中メモと意見書は、真実攻防をめぐって、尹大統領にあの夜、議員を引きずり出せと指示した事実があったのかどうかを明らかにするよう公開質問したものと見受けられる。

これまで尹大統領は、戒厳宣布前後に郭氏や李鎮雨(イ・ジンウ)前首都防衛司令官ら指揮部と連絡した事実は認めながらも、どのような指示をしたのか全貌を明確に説明していない。一部の主張について言葉尻を捉えるにとどまった。議員を引きずり出せという尹大統領の指示は、特殊戦司令部第1空輸旅団長や隷下の大隊長など、国会作戦に参加した郭氏の多くの部下たちが共通して証言している。憲法裁判所が職権で採択した唯一の証人であるチョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長も、「李首都防衛司令官から国会本庁内部に入り、議員を引きずり出せという指示を受けた」と述べた。

戒厳当時に尹大統領がした指示は、軍首脳部が口を閉ざしたからといって隠せるものではない。尹大統領の言葉通り、議員を引きずり出せと指示したことがないのなら、多くの指揮官たちが口裏を合わせて虚偽の指示を作り上げたということなのか。「本当に指示したことがないのか」という郭氏の問いかけに、尹大統領は今からでも堂々と答えなければならない。