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土地取引許可制の「空振り」を繰り返さないためには「賢い一戸」の需要分散策を講じるべきだ

土地取引許可制の「空振り」を繰り返さないためには「賢い一戸」の需要分散策を講じるべきだ

Posted March. 27, 2025 08:49,   

Updated March. 27, 2025 08:49

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「地価がいくらだと思いますか。決して高いものではありません」

ソウルマンションの「代表株」と言われる瑞草区(ソチョグ)のレミアン・ワンベイリーは、2021年に3.3平方メートル坪)当り5653万ウォンで分譲した。当時、史上最高の分譲価格だった。分譲価格上限制を適用した団地であるため、高分譲価格の議論がさらに激しかった。分譲価格の決定過程に参加した専門家は当時、記者にこのような議論は悔しいとし、このように話したことがある。

4年前のエピソードが思い浮かんだのは、最近のレミアン・ワンベイリーの価格のためだ。3日、この団地の「国民坪型」(専用面積84平方メートル)が70億ウォンで売れた。3.3平方メートル(坪)当たりの価格は2億590万ウォンで、分譲当時の3.6倍の水準だ。昨年末、この団地の専用面積133平方メートルで、3.3平方メートル当たり2億ウォンを越える取引が出てきてから3ヵ月で、国民坪型3.3平方メートル当たりの価格も2億ウォンを越えたのだ。

価格ほど注目すべき点は取引時期だった。昨年12月は、融資規制と弾劾政局でマンションの買収心理が凍りついた時だった。ソウル市が先月、「蚕三大清」(蚕室・三成・大峙・清潭)を土地取引許可区域から解除し、住宅価格が動揺したが、瑞草区は当初許可区域ではなかった。

このように江南地域のマンションの需要層は、融資や規制にそれほど敏感ではない。資産が豊かな影響もあるだろうが、さらに大きな理由は住宅価格の上昇を確信するためだろう。江南圏の「賢い一戸」に乗り換えようとする需要があまりにも強固なので可能なことだ。

多くの専門家らは、このような需要が最近になって一段と強まったと口をそろえる。文在寅(ムン・ジェイン)政府の時は、全国的に住宅価格が上昇する中、江南(カンナム)圏がさらに急激に上昇した。ところが、昨年からは全国で事実上、江南圏の住宅価格のみ上昇している。

このような需要は、個々人にとって合理的な選択だ。住宅価格の差がすなわち資産格差につながるうえ、多住宅者の重課税が依然として残っているためだ。雇用や交通、教育などすべてのインフラが江南圏に集中しており、実際の居住満足度も高い。

特に「教育を考えれば、江南しか答えがない」と言われる。教育格差は、ソウルの中でも急速に広がっている。2020年代以降、ソウルでも児童生徒数の減少で学校7校が廃業した。開校100年を越える鍾路区(チョンノグ)の東星(トンソン)中高校は、松坡区(ソンパグ)への移転を推進するという。塾講師として働く知人は、「10年近く前までは、大峙洞(テチドン)や木洞(モットン)、中渓洞(チュンゲドン)の塾街の差が大きくなかったが、今は塾街の規模と講義のクオリティともに比較できないほど広がっている」と話した。

ソウル市は19日、江南3区と龍山区(ヨンサング)の全てのマンションを土地取引許可区域に指定した。生半可に土地取引許可区域を解除したが、住宅価格が高騰すると、35日ぶりにこれを覆し、拡大指定する超強硬策を取った。ソウル市は、市場過熱が持続すれば、9月末までの規制期間を延長すると予告した。だからといって、非常措置性格の規制をむやみに伸ばすこともできない。いつか解除しなければならないが、対策なしに解除すれば、抑えられていた需要がバネのように跳ね上がりかねない。

このような失敗を繰り返さないためには、住宅供給を増やすと同時に、江南圏の賢い一戸の需要を分散させる誘引策も一緒に用意しなければならない。教育格差の解消が始まりかもしれない。ソウル郊外の学校に集中的に投資して、塾に通わせる必要のない教育サービスを提供するならば、「子供の教育のために無理してでも江南に行く」という需要は減らすことができるのではないか。