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三星を「存亡の危機」に追い込んだ司法リスク10年、誰が責任を取るのか

三星を「存亡の危機」に追い込んだ司法リスク10年、誰が責任を取るのか

Posted March. 20, 2025 08:53,   

Updated March. 20, 2025 08:53


三星(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長が最近、「三星危機論」を現実として認め、徹底した反省と死即生の覚悟を、約2000人の全系列会社の役員に指示した。革新と挑戦の失踪で「超格差競争力」と「三星らしさ」を失ったことも指摘した。このような李会長のメッセージには漏れているが、三星が迎えた危機の主要原因の一つが、10年間続く司法リスクということは疑問の余地がない。

三星の司法リスクは、2016年の国政介入事態から始まった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が捜査チーム長、韓東勳(ハン・ドンフン)元国民の力の代表が派遣検事として参加した特検は、第一(チェイル)毛織と三星物産との合併のために、朴槿恵(パク・グンへ)元大統領などと接触したという理由で、李会長に対する捜査を行った。令状を2回請求して結局拘束させ、賄賂供与などの容疑で裁判に渡した。2審で執行猶予で釈放された李会長は、最高裁の破棄差し戻しで再収監後、仮釈放され、2022年8月になって特別赦免を受けた。

これとは別に、2019年ソウル中央地検経済犯罪刑事部長になった李卜鉉(イ・ボクヒョン)現金融監督院長は、三星バイオロジクス粉飾会計事件を不当合併疑惑へと拡大した。尹大統領が検察総長だった時だ。検察捜査審議委員会が10対3で捜査中断、不起訴を勧告し拘束令状も棄却されたが、検察はその翌年、李会長を在宅起訴した。1審に続き今年2月に出た2審も、李会長の19件の疑惑に全て無罪を判決したが、検察が「機械的上告」を強行し訴訟が続いている。

李会長は200回近く法廷に出頭し、「失われた10年」を過ごす間、海外のライバル企業は躍進した。台湾TSMCが半導体受託生産市場のシェアを70%近く引き上げる間、2位の三星電子は10%以下に落ちた。世界の高級携帯電話市場をアップルが独占している間、三星電子は開発途上国市場まで中国企業に奪われた。

一部の権威主義国家を除いたどの国も、罪科が不確実な主要企業の最高経営者(CEO)に対し長期間司法の足かせをはめて経営活動を制約したりはしない。三星の危機には、功名心にとらわれた検察主義者の責任が少なくない。それでも企業の競争力を壊した検察関連人物の中で誰一人と、政治的・法律的責任を負わなかった。このような国では、「グローバル1位企業」を育てることも、守ることも難しい。