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「よくおごってくれる先輩」崔珉禎がショートトラックで3冠、ハルビン冬季アジア大会

「よくおごってくれる先輩」崔珉禎がショートトラックで3冠、ハルビン冬季アジア大会

Posted February. 10, 2025 09:04,   

Updated February. 10, 2025 09:04


「先輩なんだから、ごはんは当然私の方でおごるべきです。今のように善意の競争を繰り広げながら良い成績をあげたいです」

ショートトラックの「女王」崔珉禎(チェ・ミンジョン、27)が帰ってきた。主な種目の女子1500メートル金メダルは後輩のキム・ギルリ(21)に奪われたが、1年の空白を乗り越え、2025ハルビン冬季アジア大会で韓国代表団に初の3冠をもたらした。

崔珉禎は9日、中国ハルビンの黒竜江スケート訓練センター多目的ホールで行われたショートトラック女子1000メートル決勝で、1分29秒637のアジア大会新記録で金メダルを獲得した。前日の8日、混合リレー2000メートルと女子500メートルで金メダルを獲得した崔珉禎は3冠を達成し、華やかな復帰を果たした。冬季アジア大会で韓国女子選手が3冠に輝いたのは初めて。

2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪と2022北京五輪で女子1500メートル2連覇を達成し、ショートトラックの長距離最強者として君臨した崔珉禎だが、2023年の世界選手権を最後にしばらく太極(テグク)マークを外していた。1シーズンの間、整備の時間を持った後、2026ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を準備するつもりだった。

崔珉禎が去った空白は「次世代エース」キム・ギルリが埋めた。キム・ギルリは2023~2024シーズン国際スケート連盟(ISU)ワールドツアー(旧ワールドカップ)で女子総合1位になり、クリスタルグローブを受賞した。8日に行われた1500メートルでも金メダルを獲得し、長距離最強者としての地位を固めた。一方、崔珉禎は同種目で4位に止まった。

しかし、悔しい気持ちは長く続かなかった。崔珉禎は1500メートルに続いて行われた女子500メートルで、韓国選手としては初めて同種目で金メダルを獲得した。500メートルは、韓国がスプリント能力の高い中国選手に伝統的に弱かった脆弱種目。しかし崔珉禎が一番早くゴールしたのに続き、キム・ギルリとイ・ソヨンがそれぞれ銀メダルと銅メダルを獲得し、授賞式では3枚の太極旗が並んでかかる壮観を演出した。崔珉禎は500メートル予選で43秒321のタイムで、範可新(ファン・カーシン、中国)が2017札幌大会で打ち立てたアジア大会記録(43秒371)を8年ぶりに更新したのに続き、決勝では42秒885で記録をさらに短縮した。

9日の女子1000メートル準決勝でも、崔珉禎は1分29秒835のタイムで、沈錫希(シム・ソクヒ)が札幌大会で立てたアジア大会記録(1分30秒376)を破った。そして、1000メートル決勝で1分29秒637でアジア大会記録を塗り替えた。崔珉禎は「今大会も実は2026ミラノ-コルティナダンペッツォ五輪に向けた過程の一つ。ミラノに一歩近づいたと感じている。ミラノまで計画したことを一つずつ実現していきたい」と語った。

その崔珉禎にとって、キム・ギルリは良き後輩でありライバルでもある。崔珉禎は「1500メートルは自分は主力種目なので、当然うまくやりたい気持ちがある。1000メートルは最近ずっと好成績だったので自信もついてきた。また、500メートルも挑戦し続けている種目だ」とし、「ミラノではどの種目も逃さず、(メダル)可能性を最大限高めるために準備したい。ギルリと今のように善意の競争を繰り広げながら、一緒に良い成績を収めたい」と話した。

今大会を控えて最も尊敬する選手として崔珉禎を挙げたキム・ギルリは「(崔)珉禎さんは親しいお姉さんであり、尊敬する選手だ。初めて代表になった時、適応もできず苦しかったが、珉禎さんに色々と助けてもらって成長することができた」と話した。最近も崔珉禎はキム・ギルリにとっては「よくご飯をおごってくれる先輩」だ。

アジア大会を成功裏に終えた韓国ショートトラック代表チームは、14日からミラノで開かれる国際スケート競技連盟(ISU)ワールドツアー第6戦に出場する。


任寶美 bom@donga.com