内乱首謀容疑の尹大統領、反知性主義の首謀者になろうとするのか
Posted January. 23, 2025 08:29,
Updated January. 23, 2025 08:29
内乱首謀容疑の尹大統領、反知性主義の首謀者になろうとするのか.
January. 23, 2025 08:29.
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「各自が見たい、聞きたい事実だけを選択したり、多数の力で相手の意見を抑圧したりする反知性主義が民主主義を危機に陥れ、民主主義の信頼を損ねている」尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、2022年5月の就任演説で反知性主義を強く批判した。尹大統領は「異なる意見を持つ人々が互いの立場を調整し妥協するためには、科学と真実が前提にならなければならない」と述べた。19日未明、鉄パイプなどで武装した尹大統領を支持するデモ隊が、大統領拘束令状を発行したソウル西部地裁を襲撃した事件こそ、反知性主義を象徴する。同日、デモ隊は大韓民国の法治主義を根本的に否定しようとした。しかし、尹大統領は自らが批判した反知性主義を武器に活用することにしたようだ。尹大統領は21日、憲法裁判所の弾劾審判で「大韓民国で国会とマスコミは大統領よりはるかに強い『超甲』だ」と主張した。李在明(イ・ジェミョン)代表をはじめとする最大野党「共に民主党」より「乙」である大統領を守ってほしいという要請と共に、不正選挙の陰謀論を流布する極右ユーチューバーを信ずるよう煽動するメッセージだ。これ見よがしに戒厳宣布の時のように、髪を2:8に分け、赤いネクタイを締めて出てきたことから象徴的だ。不正選挙の陰謀論も引き続き主張した。尹大統領は「戒厳宣布の前に選挙の公正さに対する信頼に疑問点が多かった。選挙を否定し、陰謀論を持ち出すのではなく、事実を確認するためだ」と述べた。不正選挙の真相究明のために非常戒厳を宣布したという主張だ。尹大統領の発言は矛盾している。戒厳軍が用意したアルミ製の野球バット、結束バンド、目隠し、覆面、ロープが事実確認のためだったというのか。さらに尹大統領は15日の逮捕直後には「韓国の選挙で不正選挙の証拠はあまりにも多い」と述べた。しかし、憲法裁判所の弁論では、事実確認が必要だとこっそりと言葉を変えた。「多すぎる証拠」がわずか6日間で確認が必要な疑惑に変わった。不正選挙によって、与党「国民の力」が前回の4月10日の総選挙で、憲法改正を阻止できる100議席をかろうじて超える108議席しか確保できず惨敗したという尹大統領の考えに、明確な証拠がなかったことを自ら確認する発言だ。ノ・サンウォン元情報司令官の「不正選挙に関わった奴らを全て捕まえて処罰すれば、不正選挙が事実と確認されるだろう」という発言が、より真実に近いように聞こえる。尹大統領の就任演説を再び取り出して読ませたのは、尹大統領自身だった。尹大統領は17日、ソウル拘置所で、「大統領就任演説から、これまで国民に申し上げた言葉を読み返し、心を落ち着かせ、国政を振り返っている」とメッセージを出した。自分が強く批判した反知性主義の権化、その首謀者になった姿が、尹大統領の目には見えないようだ。尹大統領は今も自分を支持すれば「愛国市民」、反対すれば「反国家勢力」と分裂させている。愛国ではない「スーパーチャット」の金儲けが目的である極右ユーチューバーが尹大統領の背中に乗っている。文学評論家の故ファン・ヒョンサン氏は2015年11月、「反知性主義が支配する独裁国家で、最も日常的な苦痛は話にならないことを真実であるかのように毎日聞かされることだ。その苦痛は思うよりはるかに大きい」と話した。尹大統領が詭弁と嘘、知らぬ存ぜぬを断ち切ってこそ、国民の苦痛を少しでも和らげることができる。
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「各自が見たい、聞きたい事実だけを選択したり、多数の力で相手の意見を抑圧したりする反知性主義が民主主義を危機に陥れ、民主主義の信頼を損ねている」
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、2022年5月の就任演説で反知性主義を強く批判した。尹大統領は「異なる意見を持つ人々が互いの立場を調整し妥協するためには、科学と真実が前提にならなければならない」と述べた。19日未明、鉄パイプなどで武装した尹大統領を支持するデモ隊が、大統領拘束令状を発行したソウル西部地裁を襲撃した事件こそ、反知性主義を象徴する。同日、デモ隊は大韓民国の法治主義を根本的に否定しようとした。
しかし、尹大統領は自らが批判した反知性主義を武器に活用することにしたようだ。尹大統領は21日、憲法裁判所の弾劾審判で「大韓民国で国会とマスコミは大統領よりはるかに強い『超甲』だ」と主張した。李在明(イ・ジェミョン)代表をはじめとする最大野党「共に民主党」より「乙」である大統領を守ってほしいという要請と共に、不正選挙の陰謀論を流布する極右ユーチューバーを信ずるよう煽動するメッセージだ。これ見よがしに戒厳宣布の時のように、髪を2:8に分け、赤いネクタイを締めて出てきたことから象徴的だ。
不正選挙の陰謀論も引き続き主張した。尹大統領は「戒厳宣布の前に選挙の公正さに対する信頼に疑問点が多かった。選挙を否定し、陰謀論を持ち出すのではなく、事実を確認するためだ」と述べた。不正選挙の真相究明のために非常戒厳を宣布したという主張だ。
尹大統領の発言は矛盾している。戒厳軍が用意したアルミ製の野球バット、結束バンド、目隠し、覆面、ロープが事実確認のためだったというのか。さらに尹大統領は15日の逮捕直後には「韓国の選挙で不正選挙の証拠はあまりにも多い」と述べた。しかし、憲法裁判所の弁論では、事実確認が必要だとこっそりと言葉を変えた。「多すぎる証拠」がわずか6日間で確認が必要な疑惑に変わった。不正選挙によって、与党「国民の力」が前回の4月10日の総選挙で、憲法改正を阻止できる100議席をかろうじて超える108議席しか確保できず惨敗したという尹大統領の考えに、明確な証拠がなかったことを自ら確認する発言だ。ノ・サンウォン元情報司令官の「不正選挙に関わった奴らを全て捕まえて処罰すれば、不正選挙が事実と確認されるだろう」という発言が、より真実に近いように聞こえる。
尹大統領の就任演説を再び取り出して読ませたのは、尹大統領自身だった。尹大統領は17日、ソウル拘置所で、「大統領就任演説から、これまで国民に申し上げた言葉を読み返し、心を落ち着かせ、国政を振り返っている」とメッセージを出した。自分が強く批判した反知性主義の権化、その首謀者になった姿が、尹大統領の目には見えないようだ。尹大統領は今も自分を支持すれば「愛国市民」、反対すれば「反国家勢力」と分裂させている。愛国ではない「スーパーチャット」の金儲けが目的である極右ユーチューバーが尹大統領の背中に乗っている。
文学評論家の故ファン・ヒョンサン氏は2015年11月、「反知性主義が支配する独裁国家で、最も日常的な苦痛は話にならないことを真実であるかのように毎日聞かされることだ。その苦痛は思うよりはるかに大きい」と話した。尹大統領が詭弁と嘘、知らぬ存ぜぬを断ち切ってこそ、国民の苦痛を少しでも和らげることができる。
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