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トランプ氏も「北朝鮮は核保有国」、ワシントンに韓国の声が聞こえない

トランプ氏も「北朝鮮は核保有国」、ワシントンに韓国の声が聞こえない

Posted January. 22, 2025 08:36,   

Updated January. 22, 2025 08:36


トランプ米大統領が北朝鮮を「核保有国(nuclear power)」と呼び、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との親交を誇示した。トランプ氏は20日、就任初日にホワイトハウスで、「私と正恩氏は非常に友好で、彼は私を好きだった。私も彼を好きで、非常にうまくやっていた」と話した。そして、「もはや(北朝鮮は)核保有国だ。私たちはうまくやっていた。私が戻って来たことを歓迎してくれるだろう」と述べた。トランプ氏が北朝鮮を「核保有国」と明示的に言及したのは初めてだ。

トランプ氏の「核保有国」発言は、北朝鮮が核兵器を持っていても核保有国として認めないという米国の長年の基調からの脱線だ。この発言は、「8年前、オバマ元大統領は北朝鮮を主要な脅威と見たが、今回、バイデン前大統領はどのような脅威を指摘したのか」という質問に答える過程で出た。トランプ氏は「今、多くの脅威があるが、北朝鮮はうまくいったと思う」と述べ、正恩氏との対話再開の可能性に言及した。不動産財閥出身らしく、北朝鮮の「膨大なコンドミニアム能力と多くのビーチ」への言及も欠かさなかった。

国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏も、1週間前の上院の人事公聴会で北朝鮮を「核保有国」と称し、北朝鮮の核保有を認めるのではないかと物議を醸した。第2次トランプ政権が北朝鮮の非核化という容易ではない「ビッグディール」よりも、核軍縮または凍結に向かう「スモールディール」を推進しているという観測も流れている。これを受け、韓国外交部は直ちに「北朝鮮の非核化は韓国と国際社会が一貫して堅持してきた原則」と反論したが、トランプ氏にそのような声は全く聞こえていないようだ。

トランプ氏の30分間の就任演説は「米国最優先」時代の開幕の宣言だった。トランプ氏は、米国を「世界の畏敬と尊敬を呼び起こす国」にするため、「現代版帝国」になるという貪欲ささえ見せた。19世紀末のウィリアム・マッキンリー大統領の保護貿易と領土膨張を取り上げ、メキシコ湾を「アメリカ湾」に名称を変え、パナマ運河の運営権を取り戻すと明らかにした。その一方で、自身は「平和をもたらし人々を一つにまとめる存在」になると言った。

トランプ氏にとって、正恩氏はいつでも自分と直接取引できる、そうして平和をもたらす自身の実績を作ってくれる相手だろう。そのジェスチャーに北朝鮮がどのような反応を示すかはまだ分からないが、リーダーシップの空白状態にある韓国は難解な宿題が投げかけられた。第2次トランプ政権の発足は、韓米同盟関係はもとより北朝鮮の核に対抗する拡大抑止の将来さえも不確実にしている。全方位で外交力を総動員し、米国の新たな韓半島政策に韓国の声を正しく反映させなければならない。