
「トランプ氏、制裁を解除してほしい」
最近、シリア内戦に勝利した過激派組織「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アハマド・シャラア氏(写真)が、「新しい指導者選出のための選挙を行うには最長4年かかる」と述べた。また、トランプ次期米大統領に対して、「シリアに対する経済制裁をできるだけ早く解除してほしい」と要請した。
シャラア氏は29日、サウジアラビア国営放送とのインタビューで、「選挙を行う前に新しい憲法を制定し、有権者把握のために人口調査をしなければならない」とし、「新憲法の制定まで3年が必要と思われる」と述べた。アサド政権を追い出して政権を握った暫定政府が選挙日程に言及したのは初めてだ。
シャラア氏は来年3月を暫定政府の統治期限と明らかにした中で、「国民対話会議」を活性化する意向も明らかにした。この会議は、様々な政派が集まった連席会議で、暫定議会の機能を果たすとみられる。シャラア氏は、「(多宗教・多民族国家である)シリアのすべての代表者が参加するだろう」とし、「法制定と政府構成などを担い、選挙も監督する計画だ」と述べた。そして「シリア国民が抜本的な変化を体感するには1年ほどかかるだろう」と話した。
シャラア氏は、HTSを国民対話会議の発足に合わせて解散することを決めた。これをめぐり、米国の対シリア制裁を解くための措置という分析が出ている。これまで米国は、過去にスンニ派過激派武装組織アルカイダと連携していたという理由でHTSをテロ団体に指定してきた。
アサド政権時代にシリアに介入してきたイランに対し、「イラン政府は域内政策と干渉を再考しなければならない」と明らかにした。イランの支援を受けた既存のアサド政権との差別化を示唆したものとみられる。ただ、「アサド政権を追い出す際、イランの施設に対する攻撃を控えた。イランが前向きなジェスチャーで応じることを期待する」と述べた。イランと共にアサド政権を助けたロシアについても、「世界2位の大国としてシリアと戦略的な利害関係がある。ロシアがシリアを離れ、両国の関係が損なわれないことを望む」と述べた。
シャラア氏は、サウジアラビアの首都リヤドで生まれ、7歳まで住んでいたことを紹介し、「サウジアラビアはシリアの未来に主要な役割を果たしている。サウジはシリアで膨大な投資機会を見つけることができるだろう」と強調した。
イ・ジユン記者 asap@donga.com






