2015年から昨年まで9シーズンの間、男子プロバレーボールの現代キャピタルを指揮したチェ・テウン前監督(48)は最近、新しい人生を送っている。以前からやりたかった二つのことを本格的に始めた。コーディングを学ぶことと英語の勉強だ。チェ氏は「以前からデータに関心が高かった。チームが提供するデータを自分ならではのデータに変えてみたかった」と話した。1週間に2回、京畿道城南市盆唐区(キョンギド・ソンナムシ・ブンダング)にある成人向け英語教室で会話の授業も受ける。7月には国際バレーボール連盟(FIVB)が主催したレベル1指導者研修に参加し、「ベストコーチ賞」も受賞した。時間さえあれば、近くの中高校を回りながら才能寄付もする。
長年の監督生活で壊れた健康の回復も急務だ。特に「体重との戦争」の真っ最中だ。チェ氏は勝負の世界のストレスを食べ物で解消したりした。度重なる暴食で、選手時代に80キロ前後だった体重が100キロを軽く越えた。体重調節を本格的に始めたのは、ケーブルテレビのスポーツ専門チャンネル解説委員を提案された後だ。チェ氏は「あまりにも口下手なので最初は断った。ところが解説もやはり新しい挑戦だという気がした。挑戦するということは生きているということでもある。一度やってみようという気持ちで受け入れた」と話した。
選手時代、5度も足首の手術を受けたチェ氏は、「走ることができない。代わりにローイング器具などを使って有酸素運動を地道にした。食事メニューまで変え、現在は90キロ台前半の体重を維持している。先週行われた統営(トンヨン)ドドゥラムカップ・プロバレーボール大会(KOVOカップ)の男子試合で解説委員デビューを果たしたチェ氏は、「100キロだった時に合わせた背広のパンツが今はだぶだぶだ」とし、「プロバレーボールのレギュラーリーグが始まる前までもっとしっかりした体を維持できるようにする」と話した。
チェ氏は以前も運動で大きな病気を克服した経験がある。2010年広州アジア大会を控えてリンパ癌の判定を受けた。当時の目標は「もう一度だけコートに立ってみること」だった。その時、チェ氏を助けたのは所属チーム、現代キャピタルの金浩哲(キム・ホチョル)監督(現IBK企業銀行監督)だった。
金監督は、「チェの体調に合わせて適切なトレーニングをさせた。彼は体調が悪いことを思い出せないほど多くのトレーニングをさせてもらった。楽しく運動しているうちに、運動する時だけは痛いことを忘れることができた」とし、「痛いと否定的な考えだけをするより、やりたいことを楽しみながら元気を出せば病気を打ち負かすことができる」と話した。チェ氏は手術後6ヵ月ぶりにコートに戻った。
現代キャピタル監督時代にチームを2度もトップに導いたチェ氏には、「男子バレーボール五輪代表チーム監督」という新しい夢ができた。彼自身2000年シドニー五輪に出場したオリンピアンだ。以後、韓国男子バレーボールは今年まで24年間、五輪の舞台を踏むことができなかった。チェ氏は「私たちと身体条件が似ている日本は世界10位圏を維持し、着実に五輪に出ている」とし、「背は低くても速いスピードと弾力で弱みをカバーする。我々も十分にできるということだ」と話した。チェ氏はまた「長期的には小中高校から成人チームに至るまで選手育成システムを作ってみたい」と話した。