
北朝鮮が6月にロシアと関係格上げの新たな条約を締結した後、留学生ビザを活用して「変則的な手法」でロシアに労働者を大量に派遣する動きを韓国情報当局が注視していることが分かった。北朝鮮はロシアに留学生を送る形の「教育分野交流協力」を掲げているが、実際には北朝鮮がロシアに労働者を派遣するということだ。これらの労働者は、最近再開された朝ロ旅客列車などでロシアに向かうという。
特に、中国が自国内の北朝鮮労働者の全員帰国を要請するなど、中朝関係が悪化する中、北朝鮮は外貨獲得のためにロシアへの労働者派遣ルートに急旋回したと、韓国当局は見ている。北朝鮮当局は最近、中国駐在の貿易代表部職員にも帰国を指示したと伝えられており、中朝間の対立がさらに深まったとみられている。
19日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、情報当局は最近、このような動きを捉えた。統一研究院の趙漢凡(チョ・ハンボム)碩座研究委員も、「ロシアが教育機関を通じて賃金をルーブルで支給する予定だ」とし、「ただ、手数料の問題などで雇用業者と教育機関の間で一部意見の相違があるようだ」と話した。
これに先立ち、北朝鮮は4月に教育相が訪ロし、ロシア教育機関の北朝鮮学生の定員を増やすことを話し合った。対北朝鮮制裁で労働ビザの発給が難しい状況で、観光ビザより滞在期間が長い留学生ビザで労働者を「変則的な手法」で派遣するための準備を行ったのだ。
申圭鎭 newjin@donga.com