中東の戦争危機や米国の高金利の長期化など、対外的な悪材料が重なり、韓国の金融市場は連日ジェットコースター相場となった。最近、ドル高に押されて連日ウォン安と円安が進むと、韓国と日本、米国の財務長官が史上初めて会談を行い、初の市場介入に踏み切ったが、金融市場の不安を鎮めるには力不足だ。このまま市場ショックが続けば、金利高・ドル高・物価高の「新3高危機」がさらに悪化する恐れがある。
●米国の緊縮政策の悪材料に中東リスクが直撃
19日の韓国株式市場は、前夜に米連邦準備制度理事会(FRB)内で「利上げ論」が再び浮上したことに加え、半導体関連株の調整まで重なり、1.3%ほど急落した状態でスタートした。その後、午前中にイスラエルのイランに対する報復攻撃のニュースが飛び込み、一気に下落幅を拡大し、2553.55まで下がった。韓国総合株価指数(KOSPI)が2550台まで後退したのは2月2日以来2ヵ月半ぶり。さらに、日本の株式市場も午前中、一時3.5%前後まで急落し、周辺国の株式も全体的に弱含みで、「ブラックフライデー」が現実のものになるのではないかというムードまで漂った。しかし、午後に入ると、下落幅が過度だったという評価が出たほか、イランの被害が予想より小さかったというニュースが伝わり、下落傾向がやや鈍化した。対ドルのウォン相場も前日より20ウォンの急激なウォン安ドル高が進んだが、ウォン安の動きが鈍くなり9.3ウォン安のドル高ウォン安で取引を終えた。
同日の株式市場では、外国人と機関が指数の下落を主導した。外国人と機関は同日、それぞれ3千億ウォン、6千億ウォン以上の純売却を行った。米国の半導体関連株の下落の余波で、サムスン電子(-2.51%)、SKハイニックス(-4.94%)が大きく下落したことも、株価下落の要因となった。
金融市場に恐怖心理が広がり、資産価格も乱高下を続けている。欧州ICE先物取引所によると、6月引渡し分のブレント原油は一時前日比4.2%上昇し、1バレル当たり90.75ドルまで急騰した。安全資産である金の価格は再び1オンス当たり2400ドルを超え、暗号資産のビットコインは午前中に暴落し、6万ドルのラインが破られた。
●対外衝撃に非常に脆弱
最近の韓国金融市場の不安は、FRBの緊縮長期化の懸念、中東発リスクなど、対外的な変数が一気に集まったことで現れた現象と分析される。しかし、他国に比べて国内市場の変動幅があまりにも大きく、韓国経済が特に「外風」に脆弱であるという指摘が再び出ている。大信証券のイ・ギョンミン研究員は、「今月に入って主要国の指数の変動幅が米国や欧州は3~4%にとどまるのに対し、Kospiは7%を超えている」とし、「外国人の過激な先物売買が株価の急騰落を引き起こしている」と強調した。
金融不安が収まらない中、政府は日韓財務長官の共同口先介入で外国為替市場の安定に乗り出した。また、米ワシントンで史上初の日米韓財務長官会議を開き、ウォンと円の切り下げを懸念するメッセージを出したりもした。しかし、このような「特段の措置」による効果は当日一日だけで、翌日には再び市場が揺れ動く状況が連日繰り返されている。特に、ウォン・ドル相場は今月11日以降、毎日10ウォン前後で急激な値動きを見せる不安定な相場が続いている。
市場専門家たちは、ドル高が今後もしばらく続くものと見ている。最近の対外的な悪材料に加え、4月の配当シーズンを迎え、外国人のドル送金需要が増える可能性があることは、ウォン安をさらに加速させる要因となる。
崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は18日、米国で記者団に対し、最近の外国為替市場の状況に関連して、「状況別の対応計画がある」と答えた。また、通貨スワップの必要性については、「最近の外国為替市場の問題は流動性不足の問題ではない」と線を引いた。
イ・ドンフン記者 dhlee@donga.com
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