尹大統領、「非理性的な北朝鮮、総選挙介入のために軍事的挑発に出るだろう」

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は３１日、「韓国は今年、自由民主主義の政治システムの核心である重要な選挙を控えている」とし、「今年も接境地帯の挑発、無人機の侵入、フェイクニュース、サイバー攻撃、後方撹乱など、選挙介入のための様々な北朝鮮の挑発が予想される」と強調した。

尹大統領は、青瓦台（旧大統領府）迎賓館で第５７回中央統合防衛会議を開き、「北朝鮮政権は過去７０年間、自由民主主義システムの崩壊に向けて絶え間なく努力しており、重要な政治日程がある年には必ず社会撹乱や心理戦、挑発を強行してきた」と述べた。北朝鮮が最近１週間に３回、潜水艦発射戦略巡航ミサイル（ＳＬＣＭ）を発射するなど挑発の頻度が高まる中、尹大統領は統合防衛会議と軍主要指揮官会議を開き、一日の日程全てを安全保障に集中した。

緑色の民防衛ジャケットを着た尹大統領は、北朝鮮について、「世界で唯一、核先制使用を法制化した非理性的な集団」とし、「世襲的全体主義政権を維持するために手段を選ばない」と強調した。

中央統合防衛会議は、敵の侵入・挑発など国家安全保障の脅威に備え、民・官・軍・警の主要関係者が一堂に会し、国家統合防衛態勢を点検する場だ。今年の会議は、北朝鮮の挑発シナリオを想定して実践的な対応を点検する内容に進行方式が大幅に変更された。大統領室は、「７年ぶりに大統領が主宰した昨年に続き、今年の会議も尹大統領が主宰した」とし、「厳重な安保状況でさらに強化した総力安保態勢の構築が急務だという認識によるもの」と説明した。特に、今年は初めて国民参観団１１人が会議に参加した。昨年１０月の大川（テチョン）港密入国事件、東海（トンへ・日本海）木船亡命事件で当時、迅速に通報した人々や、接境地、安保脆弱地の住民代表が含まれた。

尹大統領は、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）総書記が韓国を「主敵」と呼び、「完全焦土化」を宣言したことについて、「このような行為自体が反民族・反統一であり、歴史に逆行する挑発であり脅威だ」と指摘した。そして、「今はほぼすべての国民生活がオンラインでつながっており、サイバー攻撃が国家機能と国民の日常を一瞬で麻痺させることができる。フェイクニュースや虚偽の宣伝扇動で社会が大きな混乱に陥る可能性もある」とし、「これを事前に確実に遮断する方策について現場の意見を聴き、議論する」と述べた。

尹大統領は会議後、出席者との昼食会で、「寒い中、遠く白翎島（ペクリョンド）、莞島（ワンド）、東海から来てくださった国民参観団の皆さんに感謝する」と述べ、「住民通報網を活性化し、国民の安保意識を高めることに貢献した皆さんこそ、韓国の隠れた英雄だ」と謝意を表した。


全主榮 aimhigh@donga.com