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白雪の饗宴

Posted December. 29, 2023 08:13,   

Updated December. 29, 2023 08:13

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辺境の村で雪の降る夕方の風景に出会った詩人。冷たい風が吹きつけ、見渡す限りの森羅万象がなびく雪に覆われて一つになったかのように真っ白になった。その一つ一つを見逃さない詩人の繊細な視線。渓谷に落ちる雪は水路が深いためか積もらず、山の上を通りかかった雲の群れは寒さに足止めされたかのように動かない。吹き荒れる雪の中を飛ぶ鳥がカモメなのか白鷺なのか、その下が砂浜なのか水辺なのかも分からず、梅の木にぶら下がっているのが花房なのか雪房なのかさえ区別できない。白い雪によって一つになった天地は、果てしなく広大で梅の香りでも広がってくるように清らかだ。雪原を眺める詩人のゆったりとした静観に共感する人は、今冬は豊かな白雪の饗宴を期待してもよさそうだ。

洪昇(こうしょう)は名家の出身だったが、20年間も科挙に落ち続け、一生不遇の人生を送った人物だ。彼が残した詩が少なくないが、代表作と言えばやはり戯曲の「長生殿(ちょうせいでん)」。唐の玄宗皇帝と楊貴妃の愛と別れの物語を題材としたが、玄宗皇帝が死後、 仙人になって再会する場面までを描いたファンタジー演劇だ。この演劇は一時、先代の皇帝を侮辱したとして康熙帝(こうきてい) によって弾圧されたが、民からは愛され続けた。