韓国、米国、日本、豪州が、国連安全保障理事会決議に違反した北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げに関連し、共同で北朝鮮に対する制裁に乗り出した。4ヵ国が連携して同時に制裁を行うのは初めて。中国、ロシアの反対で新たな安保理制裁が阻止されたため、アジア太平洋地域の4ヵ国が共同行動に出たのだ。
米財務省外国資産管理局(OFAC)は先月30日(現地時間)、「北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)プログラムを支援する収益創出活動と関連した北朝鮮人8人と機関1ヵ所を制裁リストに加えた」とし、北朝鮮偵察総局傘下のハッカー組織「キムスキー」やロシア、中国、イランなどに居住する北朝鮮人8人を制裁対象に指定すると明らかにした。イランに兵器を供給しているとされる北朝鮮のチョンソン連合のテヘラン駐在員カン・ギョンイル、リ・ソンイル、中国北京駐在員のカン・ピョングクなどだ。
政府も1日、北朝鮮国家航空宇宙技術総局のリ・チョルジュ副局長ら5人と弾道ミサイルの研究開発に関与した6人に対して制裁を加えると明らかにした。これに先立ち、政府は6月にキムスキーを制裁対象に指定した。日本政府も同日、キムスキーをはじめとする機関4ヵ所、個人5人を独自に制裁した。
ブリンケン米国務長官は先月30日に声明を発表し、「軍偵察衛星と推定される21日の北朝鮮の違法な打ち上げは、複数の安保理決議に反する弾道ミサイル技術を使用して世界の安全保障を脅かした」とし、「特に、韓国、日本、豪州が初めて、北朝鮮の制裁対象を指定して発表した」と強調した。国連安保理は先月27日に緊急会議を開いたが、常任理事国である中国とロシアが反対し、新規の制裁はもとより議長声明も採択されなかった。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は先月30日、「航空節」を迎え、人民軍空軍司令部と第1空軍師団飛行連隊を訪れたと、北朝鮮の官営メディア「朝鮮中央通信」が1日付で報じた。メディアが公開した写真によると、正恩氏は空軍司令部の作戦指揮所と推定される場所でタバコを吸いながら装備を確認した。壁のディスプレイ画面には、韓半島と日本、東南アジアの一部が含まれた太平洋の写真が映し出された。ただし、通常の軍事偵察衛星の撮影写真とは角度が異なるため、最近打ち上げた「万里鏡(マンリギョン)1号」の撮影写真ではない可能性が高いとみられている。
娘のジュエ氏が、今年8月27日の海軍施設参観以来96日ぶりに同行した姿も、メディアを通じて公開された。正恩氏とジュエ氏は、似たような革のコートにサングラスを着用し、デモ飛行(曲技飛行)を参観した。同日夜、祝賀会に出席したジュエ氏のテーブルの周りの3つのテーブルは、ほとんどが女性幹部だった。ジュエ氏の後継者確定を判断するのはまだ早いが、少なくとも正恩氏が『女性も次期軍指導者になれる』ということを強調しようとしている」とみられている。
金玹秀 kimhs@donga.com