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解放された4歳の女児、両親はハマスの銃撃で死亡

解放された4歳の女児、両親はハマスの銃撃で死亡

Posted November. 28, 2023 08:37,   

Updated November. 28, 2023 08:37

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パレスチナ武装組織ハマスに拘束されていたが、26日(現地時間)に解放された人質17人の中には4歳のアビゲイル・モル・エダンちゃんが含まれていた。アビゲイルちゃんは、家族と別れてから50日ぶりに家に戻って来た。しかし、歓迎してくれる親はいなかった。先月7日、ハマスがイスラエルのキブツ(生活共同体)、クファルアザを攻撃した際、家にいたアビゲイルちゃんの両親は銃撃で死亡した。

米紙ワシントン・ポストなどによると、父親のロイさんは当時、アビゲイルちゃんを抱きしめた状態で撃たれた。アビゲイルちゃんは、父親の腕からはい出て隣の家に逃げ込んだが、すぐにハマスの戦闘員に発見され、拉致された。アビゲイルちゃんの10歳の兄と6歳の姉はクローゼットに隠れて拉致は免れたが、両親の死を目の当たりにしたショックからまだ抜け出せない。叔母のタルさんは、「2人は風の音を聞くだけで怯えている」と話す。祖父のカルメルさんは、「アビゲイルが帰って来たことは嬉しいが、親がいないことは心が重い。彼らの死は一生癒されない傷だ」と嘆いた。

●解放されたが、親の死に衝撃

27日、イスラエルとハマスの戦闘休止と人質交換の合意の最終日を迎えた。ハマスは26日までの3日間で人質約240人のうち、イスラエル人39人と外国人19人の計58人を解放した。イスラエルも収監されていたパレスチナ人117人を釈放した。イスラエルと米国の二重国籍を持つアビゲイルちゃんは、米国国籍者が解放された初のケースだ。バイデン米大統領は26日、緊急演説で、「アビゲイルはひどいトラウマを抱えている。子どもが家に帰ってきたことに感謝する」と述べた。

解放された人質の中には未成年者が相当数いる。彼らは遅れて家族の死を知り、大きな衝撃を受けた。英紙ガーディアンによると、ノアム・オルさん(16)とアルマさん(13)兄妹は、解放後、祖父と会うやいなや涙を流した。「お母さんは殺され、お父さんは行方不明」という青天の霹靂のような話を聞いたのだ。拉致当時、兄妹は両親と共に家の隠れ家にいた。ハマスの戦闘員が家に火を放ち、兄妹は外に出るなり捕らえられ、車のトランクに押し込まれた。兄妹の母親は銃撃で死亡し、父親はどこかに連れて行かれたと推定される。

拉致された一家の一部だけが解放されたケースが多い。拘束中に9歳の誕生日を迎えたオハド・マンダーさん(9)は、母親、祖父母とともにハマスに拉致されたが、祖父だけ除いて解放された。マンダーさんの親戚は、「解放された家族が拉致当時のトラウマと、まだ拘束されている祖父の心配でショックに陥っている」と伝えた。イスラエル紙エルサレムポストは、イスラエル南部ベエリキブツで拉致された一家親戚10人のうち未成年者と女性6人だけが帰って来たアビグドリ家族の事例を伝え、「抱擁、涙、痛みが続く」と報じた。

●ハマス「戦闘休止延長」、イスラエル「戦闘休止後、総力戦」

ハマスは、人質をさらに解放し、戦闘休止期間を延長する方針だ。AFPやロイター通信などによると、ハマスは26日、声明を通じて、「4日間の戦闘休止終了後、延長することを推進している」とし、「合意書に明記された通り、解放者の数を増やすために努力している」とも強調した。

しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、「人質解放条件の戦闘休止の延長を歓迎する」としながらも、「戦闘休止期間後に再び総力戦に乗り出す」と戦闘継続を示唆した。米ホワイトハウスは、バイデン氏が同日、ネタニヤフ氏と電話で、「すべての人質解放を保証するための努力に同意した」と明らかにした。

双方の合意によると、ハマスが戦闘休止を1日延長するには、そのたびにイスラエルの人質10人を解放しなければならない。イスラエル政府は先に戦闘休止を最長10日までとし、パレスチナ人収監者の釈放は最大300人までとした。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、双方が少なくとも20人の人質の追加解放を条件とした戦闘休止の延長を議論していると報じた。


カイロ=キム・ギユン特派員 ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 pep@donga.com