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偵察衛星を軌道に進入させた北朝鮮「まもなく複数個を追加発射」

偵察衛星を軌道に進入させた北朝鮮「まもなく複数個を追加発射」

Posted November. 23, 2023 09:09,   

Updated November. 23, 2023 09:09

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北朝鮮が一昨日の夜、軍事偵察衛星を奇襲的に打ち上げた。北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、偵察衛星「万里鏡(マンりギョン)1号」を搭載した運搬ロケット「千里馬(チョルリマ)1型」の打ち上げに成功し、「軌道に正確に進入させた」と明らかにした。報道内容が事実なら、北朝鮮は今年5月と8月に相次いで失敗した後、3ヵ月ぶりに3度目の打ち上げに成功したことになる。韓国政府はこれに対応し、9・19南北軍事合意にある対北朝鮮偵察能力を制限する条項の効力を停止させ、すぐ軍事境界線付近に偵察用無人機を電撃的に投入した。

北朝鮮の初の軍事偵察衛星発射は、攻撃の効率性と精密性を高める「目」を持つようになったという点で脅威的だ。韓国の主要軍事基地の動向をはじめ、韓半島周辺の動きを宇宙から監視し、偵察する活動に第一歩を踏み出したことになる。衛星の解像度は3~5メートル級の低い水準と推定されるが、今後技術力を高めてより精密な映像情報を確保するのは時間の問題だ。9月の朝ロ首脳会談後、ロシアが技術支援に乗り出した情況も捉えられている。

北朝鮮が宇宙発射ロケットを相次いで打ち上げ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術の能力を蓄積しているという点も見逃せない問題だ。長距離ロケットの発射技術は基本的に長距離ミサイル技術と同じで、いつでも転用可能だ。衛星を繰り返して打ち上げる行為が核兵器を運ぶ手段であるICBMの性能向上に直結するという意味だ。発射自体が国連安全保障理事会決議違反だが、制裁が無力化した隙を狙って北朝鮮は敢行を続けている。「5年内に多量の軍事偵察衛星を多角的に配備せよ」という金正恩(キム・ジョンウン)総書記の指示により、早い期間内に複数の発射を予告した状況だ。

「5大国防科業」の一つである偵察衛星を確保した北朝鮮は、今後の挑発の強度をさらに高める可能性がある。高度化する北朝鮮の脅威に対応するためには、韓国軍の対北朝鮮偵察や監視能力の強化が急がれる。韓国軍もまた、30日に打ち上げ予定の初の独自の偵察衛星を皮切りに、2025年までに計5基の偵察衛星を打ち上げる計画だ。衛星の周期によって発生する偵察の死角地帯を解消するためには、北朝鮮内部を24時間覗き見ることができるきめ細かで精巧な衛星監視システムの構築を急がなければならない。

9・19軍事合意の一部効力停止を口実にした北朝鮮の局地挑発の可能性にも格別の備えが必要だ。韓半島の緊張が高まる時期であるだけに、軍当局は軍事境界線一帯で再開する監視、偵察活動を通じて北朝鮮の動向を綿密に調べながら対応しなければならないだろう。来月から稼動する韓米日リアルタイムミサイル情報共有システムも支障なく運用されなければならない。