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ヨーロッパで異邦人として30年「韓国の歌曲は『自分のもの』を歌っている感じ」

ヨーロッパで異邦人として30年「韓国の歌曲は『自分のもの』を歌っている感じ」

Posted November. 06, 2023 08:41,   

Updated November. 06, 2023 09:00

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「私の住んでいた故郷は、花咲く山里、桃の花、杏の花、赤ちゃんつつじが色とりどりの花の宮殿の町、その中で遊んでいた時が懐かしいです…」

伴奏なしで低い声で淡々と歌う。声楽的なテクニックも力も抜いた空いた空間に、つぼみが出てくる。世界的声楽家ベースのヨン・グァンチョルさん(58)が、生涯初の韓国歌曲集「故郷の春」をリリースした。最後のトラックに収録された「故郷の春」は、ピアノ伴奏なしで彼の声だけで録音された。聞く人たちが、幼い頃、田舎道を歩きながら口ずさむ思い出を思い出すことを願う気持ちからだ。

ソウル江南区(カンナムグ)の風月堂(プンウォルダン)で3日開かれた記者懇談会で、ヨンさんは、「ヨーロッパで過ごした30年間、彼らの作品や音楽の中で暮らしながらそれを解釈しようと努力したが、アイデンティティに混乱が生じたりもした」と告白した。今回の韓国歌曲プロジェクトを進めながら、自分が韓国文化の中で育ったことを改めて悟ったという。ヨンさんは、「電気のない田舎道を歩きながら感じた趣、自然の美しさが自然に浮かんだ。外国で私は異邦人として彼らの音楽をやってきたが、私たちの歌曲を歌う時は、完全に私のものを歌っているような気がする。とてもリラックスして楽しかった」と感激した声で話した。

ヨンさんは、忠清北道忠州(チュンチョンブクド・チュンジュ)の田舎町で生まれた。農業を営む家に生まれ、「声が良い」という称賛に声楽の道を選んだ。父が牛を売ったお金でブルガリアのソフィア国立芸術学校に留学し、1993年プラシド・ドミンゴ国際コンクールで優勝し、名前を知らせた。以後、ベルリン国立オペラ劇場の専属団員として10年間活動し、ドイツ・バイロイト祝祭劇場、英国コヴェントガーデンロイヤルオペラハウスなど世界の主要オペラ舞台に立った。2018年、ドイツで最高の声楽家に授与される宮廷歌手「カマーゼンガー」の称号を受けた。

そんなヨンさんにとっても、韓国の歌曲は新たな挑戦だった。クラシック・アルバムの売り場であり、複合文化空間の風月堂が、今年創立20周年を迎え、ヨンさんに韓国歌曲集を提案した。

ヨンさんは、「音と発声のような音楽的部分よりは、詩を朗読する姿勢で歌った」とし、「韓国語はとても歌いやすい言語だ。作曲家たちが音声学的にもっと勉強すれば、十分に芸術的な歌曲が出てくるだろう」と話した。今回の歌曲集には、「ピモク(碑木)」「青山に住もう」「ツツジの花」など18曲が盛り込まれている。本の形の歌詞集の中にCDが付いている形で製作された。歌詞を英語と日本語、ドイツ語に翻訳収録し、海外にも輸出する予定だ。表紙は、先月亡くなった朴栖甫(パク・ソボ)画伯の単色画「描法No.980308」の後援を受けて作った。


崔智善 aurinko@donga.com