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あなたの影に向かって浮かびます

Posted October. 21, 2023 08:44,   

Updated October. 21, 2023 08:44


「ありがとうという言葉/祝福するという言葉/ごめんなさいという言葉を/詩のように書きながら/生きてきた日々/・・・/私は昨日も今日もそしてまた明日も/ただ、ただ嬉しかったと告白するだろう//一枚のラブレターで生きてきたと/誰かがそう覚えてくれることを願っていると!」(「夢日記~カードを買って」より)

シスター李海仁(イ・ヘジン)さんの新作詩集だ。著者は冒頭で、「多くの人々が自分の痛みを告白し、慰められたいと思っていて、時には耐えられないこともあった」と告白する。2008年に大腸がんを宣告された著者は、数十回の抗がん剤治療を受け、リウマチも患っている。「慰めの詩人」と呼ばれる著者だが、肉体の痛みと老いの前に沈む心を隠そうとはしない。「空は青いのに/私は痛い//花は咲くのに/私は枯れる/・・・/私が痛いのを/人が/見ないでほしい」(「痛みの断章1」)。

しかし、日常で感謝と幸せを見つけることを止めない。「私は今日も/花に蝶に木に/そして一緒に暮らす人たちに/名前を呼び/幸せだ」(「名前を呼ぶ」より)。「いかがですか?/私が他の人に/挨拶するときは/愛をたくさん込めて/この言葉をかける/誓って、練習して/にっこり笑ってみる今日」(「いかがですか?」)

著者は「自分の痛みを客観的に見ようとする試みが容易ではなかったが、そのような努力を具体的にすることができた時だけ、より良い慰めになれることを経験した」と話す。暖かい太陽のような詩が、傷ついた人々の暗くなった心を温めてくれそうだ。


崔智善 aurinko@donga.com