Go to contents

ファーウェイの5Gフォンに米規制の7ナノチップ搭載、「中国は独自の突破口を見出した」

ファーウェイの5Gフォンに米規制の7ナノチップ搭載、「中国は独自の突破口を見出した」

Posted September. 06, 2023 08:37,   

Updated September. 06, 2023 08:37

한국어

「開けてみたら、本物の7ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)工程のプロセッサがあった」

グローバル技術分析会社のテックインサイツが4日(現地時間)、米ブルームバーグ通信の依頼を受けて世界から注目を集めている中国ファーウェイの新しいスマートフォン「メイト60」を分解した結果、独自に生産した7ナノ工程のアプリケーションプロセッサー(AP)が入っていたと明らかにした。このAPは、中国最大手のファウンドリ(半導体の受託生産)企業SMICの第2世代7ナノチップ「キリン9000s」と確認したのだ。

7ナノ工程は、世界1、2位のファウンドリ企業TSMCと三星(サムスン)電子が量産をめぐり競争している3ナノ工程に5年以上遅れた技術だ。しかし、極紫外線(EUV)露光装置など、先端半導体生産装置の輸入が制限されたにもかかわらず、ある程度量産に成功したという意味であり、米国の半導体輸出規制の実効性への疑問が高まっている。ただ、十分な量産が可能なのか、費用効率性は備えているのかなどについては意見が分かれる。

●「中国半導体が米国に一発食わせる」

ファーウェイは、ジーナ・レモンド米商務長官の中国訪問期間である先月29日、自社のオンラインモールで新製品「メイト60」の限定数量の販売を始めた。スマートフォンの頭脳とも言えるAPの仕様も明らかにせず、静かに販売に入ったのだ。ファーウェイは、限定販売物量が全て売れたと明らかにした。中国国営メディアは、「米国に対する勝利だ」と褒め称えた。

ファーウェイとSMICは、いずれも米国の制裁対象企業だ。一時、世界1位の通信機器企業でありスマートフォン市場で三星を追撃していたファーウェイは、2020年にドナルド・トランプ米政府の制裁により、先端ナノ工程が求められる5G支援のAPを購入できる道が途絶えた。

昨年、中国の14ナノ以下の半導体開発を防ぐための米国の半導体装置の輸出規制にオランダが参加し、オランダ装置業者であるASMLは、EUV露光装置に続き、今月1日からこれより低い段階である深紫外線(DUV)露光装置の中国向け輸出も禁止した。テックインサイトの分析通りなら、SMICは、保有していたDUVで7ナノ工程に成功したのだ。昨年、ビットコインの採掘機に使われていたSMICの第1世代7ナノチップとは異なり、今回の第2世代7ナノ工程は、量産体制を一定程度整えたものと見られると、テックインサイトは分析した。

テックインサイトのダン・ハッチソン副会長は、ロイター通信に対し、「中国が米国の面前に一発食わせたものだ」とし、「このチップは、レモンド長官に『私たちにあなたは要らない』と話している」と話した。

●「大量生産が可能かどうかはわからない」

ブルームバーグの「ファーウェイメイト60分解」の報道直後、香港証券市場でSMICの株価は11%以上上昇した。しかし、投資家の間では、疑問を提起する声が少なくない。

米投資会社ジェフリーズのエドソン・リー・アナリストは、「数時間でファーウェイの新しいスマートフォンが売り切れたということは、在庫が限られているという意味だ」とし、「中国は、7ナノチップを非常に少量だけ生産できると見ている」と話した。一方、別の投資会社サンフォード・バーンスタイン側は、「ファーウェイのチップは、先端パッケージング(加工されたウェハー包装技術)と(相対的に少ない)電力消費で(5G級の)速度を出している」とし、「予想を上回る発展だ」と評した。

ただ、ファーウェイの7ナノチップは、最新の半導体技術とは第2世代以上広がっている。三星電子はすでに、2019年にEUV露光技術を採用した7ナノ製品を、昨年6月に3ナノ製品をそれぞれ量産し始めた。2025年にはモバイル用2ナノ製品を生産する計画だ。アップルは来週、3ナノチップを搭載したアイフォン15を公開する見通しだ。

韓国国内半導体業界は緊張しながらも、韓国の半導体技術を脅かすほどの水準ではないと見ている雰囲気だ。業界の関係者は、「中国の半導体技術力を勘案すれば、注目に値する成果だが、速度や発熱、生産単価、収率などをまだ知らないので、どの水準なのか見当がつかない」と話した。また別の関係者は、「(韓国との)技術力の格差は、まだ大きい」と話した。


金玹秀 kimhs@donga.com