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ユン・ハンギョル、「若手指揮者のためのカラヤン」コンクールで優勝

ユン・ハンギョル、「若手指揮者のためのカラヤン」コンクールで優勝

Posted August. 08, 2023 08:24,   

Updated August. 08, 2023 08:24

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「決戦舞台としてザルツブルクフェスティバルの指揮ができたこと自体がとても幸せでした。若い指揮者としては、よほどのことではなかなか立つことのできない舞台です」

6日(現地時間)、オーストリア・ザルツブルクモチャルテウムで開かれた「若手指揮者のためのカラヤン賞」コンクール優勝者のユン・ハンギョルさん(29)は、「受賞よりは、オーケストラ団員に良い演奏を残そうと最善を尽くしただけだ」としたうえで、このように話した。

ユン氏は7日、東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「メンデルスゾーンの交響曲第3番を指揮し始めた時、オーケストラ団員の目つきが輝くのを見て、『今日の演奏はうまくいく』と直感した。演奏が終わった後、カラヤン協会のマティアス・レーダー代表が、『この団員たちを数えきれないほど見てきたが、目つきを見ると結果はすでに出ている』と言ってくれた」と笑った。

伝説的指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)を称えるカラヤン協会と、ザルツブルクフェスティバルが主催するこのコンクールは、若いスター指揮者を多数輩出してきた。かつての優勝者でオランダ国立オペラ団常任指揮者のロレンツォ・ビオティ(2015年)、スペイン国立管弦楽団常任指揮者のダビト・アフカム(2010年)らがいる。優勝者は、1万5000ユーロ(約2150万ウォン)の賞金と翌年のザルツブルクフェスティバルで指揮する機会を得る。

今回の優勝は、「ドイツで指揮を勉強する妻の厳しい助言と、指揮者サイモン・ラトル卿のおかげだ」と話した。ユン氏は昨年11月、ラトル卿と鄭明勳(チョン・ミョンフン)、チェリストのヨーヨー・マが所属する芸能事務所アスコナス・ホルトと専属契約を結んだ後、ラトル卿率いるバイエルン放送交響楽団(BRSO)の欧州ツアーに副指揮者として参加した。

「以前はテクニックが華やかで、正確な指揮が好きでした。ところが、2人を通じてテクニック越しの感情を演奏者から引き出すことが重要だということに気づきました。ヨーロッパツアーの間、ラットル卿は、単なるアシスタントではなく、『本物の指揮』をさせてくれました。一生会うこともできないオーケストラをありがたくも…あの時、たくさん見て学びました」

この日の大会の決選舞台で、ユン氏はメンデルスゾーンの交響曲第3番イ短調「スコットランド」など計4曲を指揮した。韓国作曲家シン・ドンフンのチェンバーオーケストラ曲「ネズミと人間の」とロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」の序曲は直接選び、モーツァルトのアリア「ああ、あなた穏やかな星よ」は指定曲で指揮した。

ユン氏は、2019年、世界的音楽フェスティバル「グシュタード・メニューイン・フェスティバル」の指揮部門で、最年少で1位を獲得し、その名を轟かせた。2019~2021年にドイツ・ノイブランデンブルク劇場・オーケストラの常任指揮者として活動した。氏は、「いつかBRSOと呼吸を合わせてみるのが夢だ。ミュンヘンで作曲を勉強していた当時、マリス・ヤンソンス(1943~2019)が指揮したBRSOの公演を見て、指揮を夢見るようになったためだ」とし、「オーケストラの一部として呼吸を合わせ、最高の演奏をお届けできる指揮者になりたい」と話した。


イ・ジユン記者 leemail@donga.com