バイデン米政権が、新入生選抜の際、卒業生や寄付者、教職員の子弟を優先的に入学させる米ハーバード大学の優遇入学制度に対する調査に着手した。
25日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)やCNNなどは、教育省関係者を引用し、米教育省がハーバード大学の「レガシー入学制度」の適法性に対する調査を開始したと伝えた。3つの人権擁護団体が今月初め、「ハーバード大学が優遇入学制度を通じて非白人志願者を差別している」と調査を要請し、政府が事実確認に乗り出した。教育省は、実際にこの制度により人種差別が発生したのか、関連規定に違反したのかなどを調べる予定だ。
米連邦最高裁が先月、大学の入学選考で黒人やヒスパニック系などの人種を考慮する「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)」に対して違憲判決を下した後、米国では名門大学の入試の不公正性に対する議論が続いている。当時、保守寄りの最高裁判事らは、「大学の入学選考はゼロサムゲーム」であり、「この制度は(白人やアジア系などの)志願者に損害を与える」と判断した。
しかし、この判決後、人権擁護団体は、「大学入学はゼロサムゲーム」という最高裁の論理をそのまま掲げ、優遇入学制度を批判した。そして、「優遇入学制度の受益者は圧倒的に白人であり、その結果、この制度は黒人、ヒスパニック、アジア系の志願者を差別する」と主張した。
NYTによると、優遇入学制の対象となる卒業生や寄付者、教職員の子弟などは、全体の志願者の5%未満にすぎないが、合格者に占める割合は毎年30%に達する。バイデン氏は、大学の入学選考におけるアファーマティブ・アクションに対する連邦最高裁の違憲判断の直後、「優遇制度など特権層に有利な入試制度を点検する」と予告した。
親の所得が大学の入学選考に及ぼす影響も俎上に上がった。ハーバード大学とブラウン大学の経済学教授3人が2001~15年の米国上位12大学の志願者を分析した結果、日本の大学入試センター試験に相当するSATの点数が同じでも、親の所得が上位1%以内に入ると合格率がなんと34%も高くなるという研究結果を発表した。研究チームは、優遇入学制度が富裕層の子弟の選抜に活用されたと分析した。一方、一部の大学は、優遇入学制度が大学の財政を支える寄付を奨励するとし、必要性を主張している。
イ・チョンア記者 clearlee@donga.com
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