ユネスコ世界遺産に指定された忠清南道公州市(チュンチョンナムド・コンジュシ)の公山城(コンサンソン)などの旧百済文化財も今回の豪雨で水害を被った。
16日、文化財庁によると、集中豪雨の影響で全国で文化財の被害が31件発生した。慶尚北道(キョンサンブクド)が8件で最も多く、忠清南道(チュンチョンナムド)が7件、全羅南道(チョンラナムド)が6件、全羅北道(チョルラブクド)・江原道(カンウォンド)が3件などだった。宝物が1件、史跡が16件、天然記念物が5件など、被害文化財の種類も多様だった。特にユネスコ世界遺産に登録された百済歴史遺跡地区(忠南公州市・扶余郡、全北益山市)の被害が甚大だった。
百済時代の都である公州を防御するために築城された公州市公山城の楼閣「挽河樓(マンハル)」は、屋根のみ残したまま水没した。1984年に復元されてから39年ぶりのことだ。また、別の楼閣である公山亭(キョンサンジョン)付近の城壁の一部も流失した。公山城西側の門楼(門の上に建てられた高い屋根裏)「クムソ楼」の下段の土砂も流された。文化財当局は、被害発生地域付近に安全フェンスを設置し、追加の土砂流失を防いでいる。
百済王陵と王陵級の墓が集まっている史跡「公州武寧(ムリョン)王陵と王陵園」は、土砂崩れに見舞われた。韓国の旧石器時代に人が住んでいたことを初めて知らせた公州石帳里(ソクジャンリ)遺跡は、発掘地が浸水した。文化財庁の関係者は、「近くの石帳里博物館への出入りを統制し、所蔵遺物を安全な場所に移動させた」と明らかにした。
百済の泗沘(サビ)期(538~660年)の都だった扶余の被害も、深刻だ。王陵級の墓が集まっている「扶余王陵園」は、古墳群のうち2号墓の一部が流された。落花岩(ナクファアム)と高蘭寺(コランサ)のある扶余(プヨ)・扶蘇(プソン)山城では、軍倉地(軍隊で使用する食糧を備蓄していた倉庫跡)の境界と探訪路の一部が毀損された。百済の宮跡である史跡「益山王宮里(イクサン・ワングンリ)遺跡」(全羅北道益山市)も浸水した。
全羅南道霊光郡(ヨングァングン)の「新川里(シンチョンリ)三層石塔」は、石垣が約10メートル崩れた。新川里三層石塔は、高麗時代の3層石塔で、国家指定文化財宝物だ。石垣は石塔と2メートルの距離で周囲を囲んだ擁壁だが、集中豪雨で石垣のあちこちが掘られた。
ユネスコ世界遺産であり国家民俗文化財でもある「安東河回(アンドン・ハフェ)村」では、家屋4軒の塀が破損した。文化財庁は、「被害文化財を緊急復旧しており、緊急補修申請を受けて来月中に補修予算を支援する方針だ」と明らかにした。
公州・扶余=チ・ミョンフン記者、イ・ソヨン記者 mhjee@donga.com · always99@donga.com