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年俸上限の廃止と昇進期間の短縮、これだけで公職社会の改革は可能なのか

年俸上限の廃止と昇進期間の短縮、これだけで公職社会の改革は可能なのか

Posted July. 11, 2023 08:14,   

Updated July. 11, 2023 08:14

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人事革新処は昨日、「政府省庁人事の柔軟性・自律性向上計画」を出した。4級書記官以上の任期制公務員の年俸上限をなくし、昇進に必要な公務員の最低勤務期間を短縮するのが主な内容だ。公務員の年俸では誘致が難しい宇宙航空・福祉医療などの専門人材を確保し、公務員の昇進速度を高め、硬直した公職社会の柔軟性を高めるという。

年俸上限が解除される「任期制公務員」は、政府が経歴職として採用し、1~5年間雇う公務員のこと。これまでは同級公務員の基本年俸の150%、医師は200%まで年俸を支払うことができた。これからは書記官級でも、長官、次官より高い年俸を与えられることになる。9級から3級までの昇進に必要な期間も16年から11年に短縮し、高速昇進が可能になった。

民間の優秀人材を政府に引き入れるのに低い処遇がネックになるという指摘は、以前から提起されてきた。新型コロナが発生した時、政府は最高の民間感染症専門家を活用するのが難しかった。ヌリ号の打ち上げに成功した韓国航空宇宙研究院の研究員たちに十分な報奨金を与える手立てもなかった。世界的な半導体戦争やサプライチェーンの競争に対応する情報通信技術(ICT)、資源、通商分野の専門家も、政府内には非常に不足しているのが現状だ。

やるべきことをやらず保身に走る文化が蔓延している公務員社会に、今回の措置がどれほど刺激になるか疑問だ。年俸上限廃止の対象は上位任期制公務員に限られ、既存の「ヌルゴン(正規公務員)」たちには特に影響がない。早い昇進を認められたとしても、今の上命下服文化の中で、若い公務員が上級者を追い越して昇進することが普遍化するのは容易ではないだろう。

公職社会の改革が遅れ、低い給与や非効率的な組織文化に失望した人々が公職に背を向けている。自主的に公職を離れた一般職の公務員数は、2018年の3837人から昨年は5601人へと46%も急増した。5年目以下の20代や30代公務員の65%は、「機会があれば離職の意向がある」という。政府が変わる度に政策が覆され、現場の公務員に以前の政策失敗の責任を問う現実も、公職に対する拒否感を高めている。

このような公職社会の風土を一新するためには、力量と成果によって報奨する職務成果給制の導入など、より型破りな革新案が示されなければならない。専門性を備え、自己啓発に努める公務員には昇進だけでなく業務と役職選択の幅を広げる必要がある。何よりも、若い公務員の意欲と創意性をくじく古い公職社会文化を覆すための努力が先行されなければならない。