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ソウル芸術の殿堂のオペラ劇場の客席で2日夜、笑いが起こった。第14回大韓民国オペラフェスティバルの参加作品であるソウルオペラアンサンブルのモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の初日公演。浮気性のドン・ジョヴァンニが、他の男との結婚式が予定されている花嫁ツェルリーナを誘惑する台詞だ。主人が口説いた女性のリストを使用人レポレッロが読み上げる「カタログの歌」は、タブレット端末を持ってプロフィール写真をめくるシーンにアレンジされた。
17~19世紀のオペラに現代的な背景の服を着せることは、オペラの本場ヨーロッパでは珍しいことではない。観客を引きつけられるかは、原作の音楽や設定と息を合わせるかどうかにある。
「ドン・ジョヴァンニ」が描く性的奔放と懲罰は時代を超越したテーマだ。ソウルオペラアンサンブルは、30年近く小劇場オペラや大舞台を通じてオペラの背景の現地化に関心を注いできたが、21世紀のアジアの港を背景に設定した同日の舞台は魅力的だった。きらびやかな現代のパーティー会場で古典時代の舞曲が鳴り響くシーンは、むしろ適度な「不慣れ」の効果で没入することができた。
このオペラは、ドン・ジョヴァンニと召使いのレポレッロが同じ音域のバリトンで「ティキ・タカ」を成す。2日の公演で、ドン・ジョヴァンニ役のチャン・チョルは、テナーを連想させる明るい共鳴点と誘惑シーンの繊細な質感を利用して、典型的なバリトンの音色のレポレッロのチャン・ソンイルと良いコントラストを成した。
大韓民国オペラフェスティバルの今年の参加作品のうち、5月19~21日に公演されたグロリアオペラ団の「ラ・トラヴィアータ」は、主人公ヴィオレッタを表す椿の象徴性がうまく表現された舞台だった。舞台中央に設置された椿の花の装飾は、次々と色を変えながら舞台の背景画面の変化とともに、主人公のときめきと悲しみを訴えるように見せた。5月26~28日に公演されたラヴラオペラ団の「ロベルト・デヴリュー」は、馴染みのないレパートリーへの正統的なアプローチで歓声を受けた。エリザベート役のパク・ヨンジュとソン・ガスルの透き通るような音色とカリスマ性が印象的だった。
子ども向けオペラとして用意された「こぶとり爺さんの歌袋」と「赤い帽子とオオカミ」も、若い観客の視線をつかむ巧みな舞台装置と観客の参加を自然に誘導する演劇的装置で、家族観客の反響を呼んだ。
今年の大韓民国オペラフェスティバルは、初の地域オペラ団の参加作品として、9~11日に大田(テジョン)芸術の殿堂のアートホールで開かれる大田オペラ団の「カヴァレリア・ルスティカーナ&パリアッチ」、22~25日にソウル芸術の殿堂のオペラ劇場で公演される国立オペラ団のベルディ「イル・トロヴァトーレ」に続く。
ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com