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70歳まで講義と研究を続けられる韓国初の「定年後教授」、KAISTが26人を選定

70歳まで講義と研究を続けられる韓国初の「定年後教授」、KAISTが26人を選定

Posted May. 30, 2023 08:31,   

Updated May. 30, 2023 08:31


KAISTで、70歳まで講義と研究はもちろん、研究室(ラボ)の運営や論文指導などもできる「定年後教授」が26人誕生した。一部の大学で定年をむかえた教授たちに、碩座教授や名誉教授などの肩書きを与え、特講などを任せることはあるが、在職教授とほぼ同じ待遇をする「定年後教授」制度を作ったのはKAISTが初めて。

29日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、KAISTは昨年9月と今年3月の2回にわたって、生命科学科や電気および電子工学部・原子力および量子工学科などで26人を定年後教授に選んだ。

選定対象は、61~65才の教授の中で教育・研究などの業績が卓越し、定年後も該当業績が期待される教授たちだ。選ばれた人々の中で、定年退職した7人が実際に定年後教授に任命された。

学校側は、彼らに現職教授時代と同様に研究室と実験実習室を提供し、修士・博士学生たちを配分した。また、役職も任されるようにした。KAISTの関係者は、「蓄積された研究が高い成果につながると見て、独自の研究室運営と論文指導を通じて研究を継続するようにした」と説明した。

ただ、選定条件に「研究課題を年間3億ウォン以上受注」を明示し、自分の人件費は自ら解決させるようにした。KAISTの関係者は、「KAIST教授の平均年間研究課題の受注額は8億ウォン前後なので、3億ウォンは手に余る条件ではない」と話した。

学校側はこの制度を通じて、優秀人材が早期に研究から手を引くことを防ぎ、教授陣の平均力量を高めることができると期待している。教育公務員法によって、65歳と規定された定年を事実上延長する効果があるという。KAISTの関係者は、「退職した教授たちは、高い年俸で中国企業などからスカウト提案を受けることが少なくないが、国家的人材流出を防ぐ純機能もある」とし、「最近ノーベル賞の受賞者が高齢化する点も勘案した」と明らかにした。韓国研究財団によると、この10年間(2011~2020年)、ノーベル賞受賞者の平均年齢は69歳程度と次第に高くなっている。

ただ、内部的には巨額の研究課題の受注が容易でない自然科学や人文社会分野のために、別途の選定基準を作ったり、支援を増やさなければならないのではないかという声も出ている。


池明勳 mhjee@donga.com