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千明官氏の「鯨」ブッカー賞ならず、「文学韓流の可能性は確認」

千明官氏の「鯨」ブッカー賞ならず、「文学韓流の可能性は確認」

Posted May. 25, 2023 08:35,   

Updated May. 25, 2023 08:35

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作家の千明官(チョン・ミョングァン)氏(59・写真)の長編小説『鯨』(2004年)が英国の国際ブッカー賞の受賞を逃した。ブッカー賞運営委員会は23日(現地時間)、『鯨』をはじめ、今年の国際ブッカー賞の最終候補6作品のうち、ブルガリアの作家ゲオルギ・ゴスポディノフ氏(55)の長編小説『タイム・シェルター(Time Shelter)』を受賞作に選定した。

千氏は授賞式直後、「世に出て20年近く経った『鯨』で突然ここまで来た。『鯨』は非常に韓国的だが、誰もが経験することや感情のような普遍性があると思っていた。やはりそういう面があることを実感した」と話した。ブッカー賞は、ノーベル文学賞、フランスのゴンクール賞とともに世界3大文学賞に数えられる。

出版界では、『鯨』が受賞には至らなかったものの、韓国文学の世界化の可能性を確認したと評価されている。昨年のチョン・ボラ氏の短編小説集『呪いのウサギ』(17年)に続き、韓国作家の作品が2年連続で国際ブッカー賞の最終候補になったのは初めてだからだ。『鯨』は、英語、日本語、ロシア語、ドイツ語、トルコ語で翻訳出版され、イタリア語の翻訳が進行中だ。韓国文学翻訳院の郭孝桓(クァク・ヒョファン)院長は、「2016年に韓江(ハン・ガン)氏が『菜食主義者』(07年)で国際ブッカー賞を受賞して以降、韓国文学の国際的な認知度と影響力が高まった」とし、「『文学韓流』が導入期を経て成長期に向かっている」と話した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com