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脱北した2家族「金正恩政権の経済難・コロナ対策に耐えられず亡命」

脱北した2家族「金正恩政権の経済難・コロナ対策に耐えられず亡命」

Posted May. 19, 2023 08:36,   

Updated May. 19, 2023 08:36

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6日夜、小型の漁船に乗って西海(ソへ)上の北方限界線(NLL)を越えて亡命した北朝鮮の2家族は、金正恩(キム・ジョンウン)体制で深刻化した経済難と新型コロナウイルスの感染拡大で強化された住民監視統制に堪えられず、脱北を決意したと証言したことが分かった。

18日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、彼らは亡命直後、軍や国家情報院、統一部など関係当局の合同事情聴取で、「南朝鮮(韓国)では本当に働いた分だけお金を稼げるのか」、「ここでは本当に自由に暮らせるのか」と韓国社会について質問したという。

政府消息筋は、「幼い子どもまで連れて一隻の木船で命をかけて亡命を決意した自分たちの判断が正しかったことを再確認したいようだった」と伝えた。

彼らは普段、韓国の放送をこっそり視聴し、韓国社会に憧れていたという。また、亡命を決意した後、数ヵ月間綿密に準備し、亡命を強行したと話したという。これをめぐり、北朝鮮内の食糧難など生活環境が住民の生存を脅かすほど深刻なレベルではないかという分析もある。北朝鮮が新型コロナウイルス対策のため厳しい国境封鎖を解除していない状況で、長い準備の末にこれを突破し命を賭けて脱北したこと自体が、北朝鮮内の状況がいかに厳しいかを示しているということだ。北朝鮮の強化された体制取り締まりと厳重な監視統制にもかかわらず、2家族が西海を経由して韓国に来る海上亡命を選んだのは、新型コロナウイルスによる中朝国境封鎖と脱北費用の急増などの要因があったとみられる。

別の情報筋は、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府発足後、前政権とは違って北朝鮮の人権解決を強調していることも亡命決意に影響を与えたとみられる」と話した。韓国の放送を通じて現政権の対北朝鮮政策を知り、政府が亡命者を北朝鮮に送還しないと判断した可能性があるということだ。


孫孝珠 hjson@donga.com